特集/本誌より

【この夏の外国エアライン搭乗記②】フィンエアーAY074便/成田発、ヘルシンキ行き

●搭乗機材:エアバスA350-900(OH-LWN)
●搭乗クラス:エコノミークラス

2024年の夏、月刊エアラインのカメラマンや執筆陣たちは外国エアラインでどこへ飛んだのか。続いてご紹介するのは旅するライター、谷川一巳氏の搭乗記。最終目的地ダブリンへの往路、フィンエアーの成田発を選んだのは、経験豊富な著者ならではの理由があった。

※本記事は月刊エアライン2024年9月号特集「外国エアラインの最前線へ!」から転載したものです。

文:谷川一巳 写真:谷川一巳
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往路に乗ったエアバスA350-900は成田を深夜に出発。

ヘルシンキ到着は午前。フィンエアーを選んだのは必然。

 去る5月にアイルランドのダブリンへと向かった。航空券検索サイトのスカイスキャナーから探し出したのはフィンエアーの航空券、エイチ・アイ・エス系列のネット専門旅行会社のサプライスにて17万1,570円で購入した。数ある航空会社のうちフィンエアーを利用したのには必然性もある。
 ロシアのウクライナ侵攻によって現在の日本=ヨーロッパ間の直行便は北極回り、もしくはカザフスタン上空通過の迂回を強いられているが、その関係で所要時間が長くなり、ヨーロッパ系航空会社の各拠点での乗り継ぎが以前同様にはできなくなっている。以前なら日本を午前から昼に出発し、その日のうちにヨーロッパ着という場合が多かったが、その時間帯の運航を貫いている航空会社の便だと、乗り継ぎ便の現地着が深夜になったり、あるいは乗り継ぎ地で1泊を必要とするケースが増えた。
 一方で、フィンエアーのように日本発を深夜に変更した航空会社もある。ヘルシンキ着が早朝、乗り継いでダブリンへは午前着となる。深夜着だと、空港アクセスが運行を終えていてタクシーを利用せざるを得なかったり、筆者が利用するような格安宿泊施設はチェックインが終了していることもあるので、午前着のほうが都合がいい。
 ただし、航空会社側は不都合を強いられている。フィンエアーの成田着は12時55分、成田発は23時5分なので、機体を10時間も休ませていることになり、何とも効率が悪く、先述の迂回による燃料消費に加えて、航空券高騰の一因になっている。

往路の機内、3人席にひとりだとエコノミークラスでもかなり楽だ。
往路1回目の機内食、昔を知る筆者にとってはかなり簡素。

羽田発ではなく、成田発にも思惑あり

 だが、成田=ヘルシンキ間のA350は快適であった。何が快適だったかというと、往路も復路も3人席を占領できたからで、機内が空いていたためだ。しかし、有料の座席指定などは行なっていない。ここにも筆者の思惑がある。復路のヘルシンキ空港ではすぐ隣に羽田行きが搭乗待ちの状況であったが、そこは大勢の人で溢れていた。多くの日本人は「成田は遠い、羽田がいい」と思っているようで、筆者は「こんな事じゃないかな~」と思っていたのが的中したのであった。

機内では北極上空の通過証明書が配付された。
こちらは往路2回目の機内食。
ヘルシンキで乗り継いだダブリンへの機材はエンブラエル190だった。
●搭乗機材:エアバスA350-900(OH-LWN) ●搭乗クラス:エコノミークラス 2024年の夏、月刊エアラインのカメラマンや執筆陣たちは外国エアラインでどこへ飛んだのか。続いてご紹介するのは旅するライター、谷川一巳氏の搭乗記。最終目的地ダブリンへの往路、フィンエアーの成田発を選んだのは、経験豊富な著者ならではの理由があった。 ※本記事は月刊エアライン2024年9月号特集「外国エアラインの最前線へ!」から転載したものです。

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