エコノミーより快適でビジネスより安いプレエコの選び方
長距離フライトになればなるほど、上級クラスの快適性は大きな魅力となります。
ビジネスクラスなら最高ですが、料金面では高嶺の花ですよね。
そんな中、注目したいのは「プレミアムエコノミー」です。

Photo:JAL
エコノミーとの差は「数センチ」にあらず
エアラインによってさまざまなタイプの「プレミアムエコノミー」がありますが、エコノミークラスとはっきり差別化しているところのプレミアムエコノミーは、シートの仕様がまったく違います。
エコノミークラスでは約79〜81cmといったところがシートピッチの平均ですが、プレミアムエコノミーは標準で約97㎝、JALはさらに広く、業界最大級となる約107㎝を確保しており、足元のゆとりは歴然です。シート幅もプレミアムエコノミーは標準で約48㎝と、やはりエコノミークラスより4㎝ほど広く、10時間以上の長距離フライトではこの「数センチ」が体感的に大きな差を生みます。背もたれのリクライニング角度も深く、フットレストやヘッドレストが充実している点もありがたいポイントです。

Photo:Akira Fukazawa
料金は割高、それでも「費用対効果」は悪くない
プレミアムエコノミーは、快適性が高い分、料金はエコノミークラスより高くなります。ただし、直行便や乗り継ぎ便の違い、シーズンや空席状況によって価格差は大きく、工夫次第で手の届く範囲に抑えることも可能です。
たとえばロンドン線では、JALやANAに比べてブリティッシュ・エアウェイズが比較的割安になるケースがあります。これは同社のプレミアムエコノミーは座席数がJALやANAよりも多く、供給が潤沢であることも理由のひとつだと考えられます。
また乗り継ぎ便では、中東系のエミレーツ航空などが選択肢に入ってきます。同社は2022年からプレミアムエコノミーを導入していますが、成田線と関西線の機材は総2階建ての超大型機エアバスA380であり、座席数の多さは抜群。直行便よりは時間がかかってしまうものの、エミレーツ航空はサービスにも定評があるので、快適なフライトが期待できるはずです。

Photo:Masahiro Ohashi
JALとANAはラウンジも利用できるのが大きな魅力
JALとANAのプレミアムエコノミーの隠れた魅力が「ラウンジアクセス」です。国内はもちろん、海外空港からの出発時も提携するラウンジを無料利用できるケースが多くあります。通常はビジネスクラス以上か、上級会員でなければ入れないラウンジで、出発前に軽食や飲み物楽しんだり、シャワーでリフレッシュできたりするのは大きなメリットです。
エコノミーの窮屈さを避けたいけれど、ビジネスクラスは手が届きにくい。そんな旅行者にとって、プレミアムエコノミーはまさに“ちょうどいい選択肢”。快適性とコストのバランスに優れたクラスは検討してみる価値があります。
現在発売中の『航空旅行 2025 SUMMER(vol.51)』では、ANAのストックホルム発羽田行きのプレミアムエコノミーを取材しているほか、「あなたに最適な欧州航路を探そう」と題し、プレミアムエコノミーはもちろん、さまざまな視点から「エアライン選びのコツ」をまとめました。旅のプランニングの参考に、ぜひ、こちらもご覧ください。

Photo:Akira Fukazawa

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特集「ANAが描く新たな欧州航路」

欧州路線が続々と拡充されたANA。2024年末から2025年にかけて開設されたストックホルム、イスタンブール、ミラノの新3路線を軸に、ANAが描く新たな空の地図を紹介します。これからANAの利用を検討している方には実用的で役にたつビジネス・プレエコ・エコノミークラスの搭乗取材や各都市の魅力を多角的にレポート。また、ANA以外の欧州航路を運航するエアラインについてもそれぞれの特徴を紹介します。
このほかに、エアバスA350-1000の導入により退役フェーズに入ったJALのボーイング777-300ERの歴史やキャビンの振り返り記事や、ボーイング767による貴重な長距離路線であるデルタ航空のハワイ線のレポートも掲載します。
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