”さよなら”までに乗っておきたい!JAL ボーイング777‑300ER
後継機であるエアバスA350-1000の導入に伴い、JALのボーイング777-300ERは退役が進んでいます。2024年8月にJA734J、2025年5月に初号機であるJA731Jが退役し、残るは11機となりました。世界的なサプライチェーンの問題により、当初の予定よりも延命される可能性もありますが、それでもあまり悠長なことは言っていられません。「乗れるうちに乗る」ーーこれが鉄則です。

Photo:Charlie FURUSHO
まさにJALのフラッグシップだった777-300ER
JALのボーイング777-300ERは2004年6月に初就航して以来、13機が導入され、ニューヨークやロンドンといった花形の長距離国際線に投入されてきました。いわゆるフラッグシップなので、日本初のシェルフラットを採用したビジネスクラスなど、革新的なキャビンはいつも777-300ERから登場し、まさにJAL国際線の象徴といってもいいでしょう。
2013年に一新され、現在まで続くキャビンは、振り返るとなかなか衝撃的でした。特にビジネスクラスの「JAL SKY SUITE」を初めて見たとき、座席数もある程度確保できる2‑3‑2配列ながら全席から直接通路にアクセスでき、それでいて足元まで窄まることなく、広々としたベッドになることによくできたシートだと感心した記憶があります。
エコノミークラスの「JAL SKY WIDER」はさらにインパクトがありました。通常、777-300ERの場合、3-4-3の横10席配置が主流ですが、JALの777は「WIDER」の名の通り、1席少ない3-3-3の横9席でレイアウト。しかもシートピッチも通常だと79~81cmのところが多いのですが、84~86cmを確保し、この広さの優位性は、どんな最新シートであっても敵いません。

Photo:JAL

Photo:Akira Fukazawa
777‑300ERの残存機は11機、悔いを残さないように…
そんな777-300ERも、後継機であるエアバスA350-1000の導入に伴い、退役が始まっています。すでに13機中、2機がJALから離脱したのは書いた通りですが、今後もこの流れは続いていきます。つまり、いまのうちに乗っておきたい機材であることは確かのですが、とりあえず7月14日発売の『航空旅行 vol.51 2025 SUMMER』では、やはり777-300ERの実力はロングフライトで感じたいということで、羽田〜ロサンゼルス線で取材してきました。往路でエコノミークラス、復路でビジネスクラスに搭乗し、そのフライトの模様をご紹介します。ただ、そんなロサンゼルス線も明日、6月30日からはA350-1000に切り替わりますので、やはり乗るのであれば急いだほうがいいのは間違いありません。
そのほか『航空旅行』の誌面では、JAL777-300ERの導入から現在までの歴史やキャビンの変遷、トラベルジャーナリスト、橋賀秀紀さんによるファーストクラスのレポートもあります。
JALのボーイング777‑300ERーー
名機としての役割も終焉差し掛かっているとはいえ、あの快適さと信頼性を味わえる機会は、まだ残されています。「いつか乗りたい」ではなく、「今こそ乗るべき」です。どうか、悔いの残らぬように、いますぐの行動をおすすめします。

Photo:Akira Fukazawa
7月14日発売! 『航空旅行 vol.51 2025 SUMMER』
特集「ANAが描く新たな欧州航路」

欧州路線が続々と拡充されたANA。2023年末から2024年にかけて開設されたストックホルム、イスタンブール、ミラノの新3路線を軸に、ANAが描く新たな空の地図を紹介します。これからANAの利用を検討している方には実用的で役にたつビジネス・プレエコ・エコノミークラスの搭乗取材や各都市の魅力を多角的にレポート。また、ANA以外の欧州航路を運航するエアラインについてもそれぞれの特徴を紹介します。
このほかに、エアバスA350-1000の導入により退役フェーズに入ったJALのボーイング777-300ERの歴史やキャビンの振り返り記事や、ボーイング767による貴重な長距離路線であるデルタ航空のハワイ線のレポートも掲載します。
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