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全国の精鋭12名が4分30秒で18席を仕上げる。ANA、機内清掃スキルコンテスト2026を開催

乗客が目にする機会は少ないものの、フライトの快適性と安全を支えている「機内清掃」。ANAは10月26日、清掃技術の日本一を決める「ANA Cabin Cleaning Skill Contest 2026」を羽田の「ANA Blue Base」で開催した。全国から集った12名の精鋭が短時間で清掃を進める技を披露した。

文:佐藤眞博 写真:佐藤眞博
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 ANAは10月26日、機内清掃技術の全国1位を決定する社内コンテスト「ANA Cabin Cleaning Skill Contest 2026」を、羽田空港のそばにある総合訓練施設「ANA Blue Base」で開催した。7回目を迎えた今年は、全国25空港のなかから予選を突破した12空港12名が出場し、日ごろの成果を披露した。

コンテスト会場となったANA Blue Base。
開会あいさつに登壇した、ANA 上席執行役員 エアポートセンター長の岡 功士氏。ANAグループはキャビンの清潔さにおいて、SKY TRAX社の評価で現在3位であることに触れ、「来年の評価を何としても上げていきたい。みなさんが、それを牽引をしていただけるメンバーだと思っている」と、これから競技に挑む参加者を鼓舞した。

 ボーイング787のモックアップを会場として実施された今回のコンテスト。1人の競技者が清掃や点検を担当するのは、横9席で設置されている座席の前後2列分で、あわせて18席となる。シートポケットやテーブルなど座席まわりのほか、床や頭上の荷物棚までが審査対象に含まれており、持ち時間の4分30秒以内で仕上げていくスピード勝負だ。項目ごとに定められた加点と減点のポイントがあり、最終獲得点数がより高い上位3名が表彰される。

 競技は一度に2名ずつで行ない、開始を告げるホイッスルとともに機内へ。作業の順番は特に決められていないため、最初に実施する内容が競技者ごとに大きく異なっていたのが興味深い。テーブルの拭き上げから始めた人や、荷物棚の忘れ物確認から実施した人、シートポケットの備品チェックからスタートした人などさまざまだ。

 見た目のスピード感も明らかな違いがあり、時間を気にしてか目にもとまらぬ速さで作業する人、反対にマイペースで確実に作業する人に分かれていた。おそらく、1日の業務量や航空機の大きさの違いといった、普段の仕事スタイルによってもやり方が変わってくるのだろう。

仕掛けの一例。シートまわりのあらゆるところに忘れ物や汚れ、備品の欠品などを仕掛けていく。ひと目見て分かるものから、巧妙に隠されたものまで、内容はさまざまだ。
競技後は、3名の審査員で各項目を厳しくチェック。ほぼすべての座席に、なんらかの仕掛けがされており、それらをどれだけ改善できていたかが勝負を左右する。参加者全員を平等に審査するため、“仕掛け”は毎回元に戻される。
機内で発見した忘れ物は、清掃終了後に機外で審査員へ提出する。その際、シートナンバーも申告するので、多数の忘れ物が見つかった場合はそれらの記録作業は困難を極める。
会場となったモックアップ内には、競技者それぞれに応援者が3名のみ入場可能。派手な応援グッズを持ち込んで声援を送る姿も多く見られた。

 コンテストの採点で加点となるのは、あらかじめ仕掛けられた不具合の改善や、ANAが定めている基本的な作業項目が実施された場合のほか、時間内に作業を終えられた場合。対して、減点の対象は時間をオーバーした場合のみとなる。ちなみに、参加者12名のうち時間内で作業を終了したのは、最優秀賞を獲得した宗方さんだけだった。

 12名全員の競技が終了し、迎えた表彰式。上位3名が表彰の対象とされていたが、2名が同点3位となり、計4名に賞が贈られた。

 最優秀賞の発表で自身の名前が呼ばれた宗方さんは、とても驚いた表情を見せながら壇上へ。表彰状を受け取る際はずっと緊張の面持ちだったが、記念品を手にする段階でようやく笑顔が見られた。競技中は普段どおりに作業したという宗方さんだが、「実はいまが一番緊張している」と話すと笑いが起こり、最後はあたたかな拍手が会場を包んだ。

 基本的には乗客の目に触れることがない、機内清掃という仕事。いつも飛行機を利用する際に綺麗な客室が提供されているのは、プロフェッショナルのみなさんが数々の工夫を凝らし、完璧に仕上げているからにほかならない。コンテスト出場のために羽田へ集結した12名の精鋭は、今日もそれぞれの空港で、ANAの品質を支えている。

最優秀賞に輝いた耕谷開発の宗方さん(仙台空港)。終始無駄のない動きで、余裕すら感じさせる仕事ぶりに目を奪われた。
優良賞を受賞した、秋北航空サービスの木田さん(青森空港)。
優良賞を受賞した、ピュアラインの山本さん(中部空港)。
優秀賞を受賞した、コウノイケ・エアポートサービスの森山さん(福岡空港)。
最優秀賞に輝いた、仙台空港 耕谷開発(有)の宗方さん。競技は普段どおりにしただけだと話すその表情には、確かな自信が宿っているように見えた。
受賞した(左から)福岡空港の森山さん、青森空港の木田さん、仙台空港の宗方さん、中部空港の山本さん。長時間のコンテストがすべて終了し、安堵の様子がうかがえた。
表彰後、会場の最前列で講評に耳を傾けるコンテスト出場者のみなさん。競技順に、宮崎、関西、松山、仙台、新千歳、鹿児島、八丈島、青森、福岡、中部、高知、佐賀の各空港から1名ずつの12名が、ここ羽田で顔を合わせた。
競技を終えたファイナリスト12名。

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