連載

撮影、グッズ、ホテルまで! アムステルダム・スキポール空港でヒコーキ三昧な1日

月刊エアライン編集部の日々のヒコーキ活動をユル〜く紹介する連載「ある日のヒコ活」。前回、イスタンブールからアムステルダムへ到着した筆者。この地を訪れた目的はヒコーキ、ただそれだけです。撮影はもちろん、世界最大級のヒコーキグッズのお店や、さらに宿泊したホテルまで、まさにヒコーキだらけな1日を過ごしました!

文:ウォレンス雄太(本誌編集部) 写真:ウォレンス雄太(本誌編集部)
X Facebook LINE

まずは朝、ジャンボジェットとともに目覚める

 “ヒコーキファンの聖地”と言われる場所は世界にたくさんありますが、筆者はオランダの玄関口、アムステルダム・スキポール空港がダントツでそれだと思います。運河がフェンス代わりとなり、機体との間に遮るものがない撮影環境はその象徴ですが、それ以外にもたっぷりと魅力がある空港です。

 そんなスキポールでのヒコーキ三昧の1日は、カーテンを開けた瞬間から……は追加料金をケチったので始まりませんでしたが、ホテルの廊下からスタートです。窓の外にいたのは、ジャンボジェットことボーイング747、実物まるごと1機。

全長70.67m、全幅64.44m、全高19.4m(ホテル公称値)の巨体であるボーイング747-400の実機が、“庭に置いてある”というすごい光景です。

 先ほど「追加料金を」と書いたのは、実はもう少し高い部屋ならば、部屋の窓からこの空の女王を望むことができるからです。先日、まさにその部屋に泊まったチャーリィ古庄カメラマンから写真をお借りしました。

このように部屋から女王を眺められるのは、「747ビュー」の部屋を予約した人だけの特権です。Photo: Charlie FURUSHO

 しかし、筆者と同じ平民の皆さんもご安心ください。高い部屋に課金しなくても、ジャンボジェットはたっぷりと楽しめます。同機が置かれている中庭は自由に出入りすることができ、至近距離で機体を観察できるほか、機体の下まで入り込むことができるのです。

この距離から、それも自由に空の女王を眺められます。定期的に機内ツアー(有料)も開催されているようです。
機体の下だって入れてしまいます。747は土台の上に立ち、少し高さがカサ増しされているので、無理のない姿勢で見学が可能。

 この747、ホテル運営者のコレンドン・ホテル&リゾーツと同じグループに属するコレンドン航空の塗装を身に纏っていますが、実は同社は747を保有したことがありません。塗装変更は譲渡が決まった後に施されたもので、元はKLMオランダ航空の登録記号PH-BFB「City of Bangkok」でした。1989年のデリバリーから29年間、KLMひと筋で活躍した機体で、成田空港の常連でもあった機体。2018年の退役後にコレンドンが購入し、2019年に“庭園のオブジェ”となりました。ちなみに塗装変更は別の空港で実施されたため、フェリー時の一度だけコレンドン塗装で空を飛んでいます。

2015年、成田空港で撮影したKLM時代のPH-BFB。このころ、KLMジャンボは毎日見ることができる常連機でした。

いざ、スキポール最長の滑走路、ポルダーバーンへ!

 朝からジャンボのご利益を受けた筆者は、早速ヒコーキ撮影に出かけます。撮影ポイントが豊富なスキポール、行きたいところは山ほどありますが、今日は王道のポルダーバーン(RWY36L/18R)を攻めることに。ターミナルから離れた場所に、2003年に建設されたスキポール6本目にして最長の滑走路。まるで陸の孤島のため、タキシング時間は最大で30分にもなると言われています。離陸はRWY36Lからのみ、着陸はRWY18Rへのみと、一方通行で運用される滑走路です。

撮影ポイントに向かう途中で撮影。この日の朝は南風運用。ポルダーバーンは着陸に使用されていて、主に空港西側(イギリスやアイルランド、北米など)から飛来する機体がやって来ました。

 向かった撮影ポイントは、午前側で最も滑走路に近づける場所。空港管理道路につながる1本道の終端部分で、ラウンドアバウトとなっていてスペースもありますが、駐車は禁止です。筆者は最も近い路上駐車OKの道路から20分ほど歩きましたが、ここは自転車がベストだと思います。スキポール空港周辺なら、レンタサイクルが用意されているホテルもありますからね。

真横のスポッターカットが撮れる場所ですが、着陸機のためスラストリバーサー(逆噴射装置)が開いてしまうのが難点です。ちなみに写真の派手な機体は、アイスランドの新興LCC、プレイ。
ただし、ポルダーバーンは3,800mと着陸機には余裕の長さ、しかも離脱先の誘導路は滑走路の南端付近にしか存在しないため、逆噴射を使用せずに滑走してくる機体も稀にいます。

次のページ:
午後はヒコーキグッズ・ショッピング&至近距離で離陸機を眺める!