美しく華やかなウィーンのクリスマス～旅のヒントBOOKより

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今回は、オーストリアのウィーン在住、旅のヒントBOOKシリーズの著作があるバレンタ愛さんによる現地レポートをお届けします。

　芸術とカフェの街であるオーストリアの首都、ウィーン。街にはカフェが点在し、人々の生活の中には芸術が深く浸透しています。旧市街地はその全体が「ウィーン歴史地区」として世界遺産になっていて、どこを歩いても美しい街並みを楽しむことができます。

　そんな美しい街並みがさらに輝くのがクリスマスの季節。11月中旬には街中のイルミネーションが点灯され、毎晩キラキラと輝いて美しい街を照らします。

　市内では数多くのクリスマスマーケットが開催されます。それぞれのクリスマスマーケットは雰囲気が異なり、いくつ行っても飽きることはありません。クリスマスマーケットの開始時期は年々早くなっており、今年2024年はなんと11月8日から！

　ウィーンのクリスマスマーケットをいち早く開催するのは、世界遺産のシェーンブルン宮殿。今年からオーガナイザーが変わりマーケットも一新されるようで、どのようなクリスマスマーケットになるのか楽しみです。美しくライトアップされた宮殿が華やかな雰囲気を一層引き立てます。

　市内で一番にぎやかなのは市庁舎前広場でのクリスマスマーケットです。こちらも美しい市庁舎の建物を背景に、大きなクリスマスツリー（本物の木！）が設置され、食べものや飲みもの、クリスマスグッズやおもちゃなどを売る屋台が所狭しと並びます。広場内もイルミネーションで飾られ、多くの人でにぎわうマーケットです。

　そのほかにも街の中心シュテファン大聖堂広場やバロック様式の美しいカールス教会前の広場、プリンス・オイゲン公の宮殿だったベルベデーレ宮殿の庭園、美しいミュージアムにはさまれたマリア・テレジア広場、世界遺産の街並みを満喫できる旧市街地の小さな広場フライウングなど市内各地でクリスマスマーケットが開催されます。静かな住宅街の小道を使って開催されるシュピッテルベルクのマーケットも素敵ですし、映画「第三の男」にも登場する大観覧車のあるプラーター公園にもマーケットが登場します。

　楽しめるのはマーケットだけではありません。世界文化無形遺産になっているウィーンのカフェ文化ですが、伝統的なカフェでもこの時期だけのクリスマスグッズが販売されます。アドベントカレンダーや、かわいいクリスマスデザインのパッケージに包まれたスイーツ、そしてオーストリアでクリスマス時期に欠かせないクリスマスクッキーもそれぞれのカフェのオリジナルレシピ。カフェもクリスマスの素敵なデコレーションで飾られ、いつもとは違う素敵な雰囲気が楽しめますし、期間限定のおいしいお土産探しにもおすすめです。

　多くのマーケットはクリスマスが終わると終了しますが、市庁舎やシェーンブルン宮殿などではニューイヤーマーケットと名を変え、そのまま1月6日頃まで開催し続けます。マリア・テレジア広場やベルベデーレ宮殿でも大晦日まで開催。街中のイルミネーションも1月のはじめまで続くので、年末年始でも華やかなウィーンの雰囲気を楽しめます。大みそかには街中でのカウントダウンイベントもあり、花火が上がってワルツが流れます。

　美しい世界遺産の街ウィーンが更に輝くクリスマスから年末年始、是非いらしてみてくださいね。