外から見た777の窓。二重とはわかりにくいが、下の方に小さな穴が開いているのは内側の窓。胴体表面と面一の外側の窓とは違う面にあるということがわかる。
窓の透明アクリルは二重でも、それを固定する胴体は補強されてはいるものの1枚の板だ。せめて、穴やクラックが広がらないようにフェイルセーフ構造とする。
製造中の747-8のアッパーデッキ部分を内側から見たところ。円周状に沿ったフレームと前後に貫くストリンガー、スキンを組み合わせたセミモノコック構造だ。
A350の胴体は従来の旅客機のようなアルミ合金ではなくはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で作られているが、金属機と同じようなセミモノコック構造としている。
提灯はフレームとスキンによって形を保っているが、フレームをつなぐストリンガーがないのでスキンが裂けるとお化け提灯のように傷が広がりやすい。
初めてドーバー海峡横断飛行に成功したブレリオIX。かつてはこの胴体のように骨組みだけで強度を保ち形を維持できる構造とするのが一般的だった。
世界初のジェット旅客機として華々しく登場したイギリスのコメット1。想定以上に早く進行した金属疲労をきっかけに、空中分解事故を起こした。
セミモノコック構造は古い戦闘機(画像は零戦五二型)でも一般的だったが、フェイルセーフという考え方は戦後の旅客機で本格的に採り入れられるようになった。
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