連載

大型機、LCCを加えた多彩なトラフィック 石垣空港

【連載】ニッポンの空港

文:芳岡淳
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カラ岳から一望する美しい南の島の空港

 旧空港は、市街地近くに位置しており、滑走路1,500m以上の延長や空港施設の拡張が難しく、東京などへの直行便の運航が困難であったことから、新空港として2013年に供用を開始。滑走路は2,000mで、787シリーズや767-300などの中型機が東京への直行便を運航することが可能となった。
 新空港が開港したことで、東京や大阪、名古屋などへの直行便が新設され、石垣島旅行のハードルも大きく下がり、2013年以降、観光客の来島者数も急増。ANAでは2017年8月より運航条件付きではあるものの、大型機となる777-200を羽田=石垣線へ投入。JAL系列では、これまでJTAが羽田線での直行便を担っていたが、737-800しか投入機材の選択肢がなかったため、JALの機材と乗務員で運航する形で繁忙期には767-300を投入するなどの対応が行なわれた。
 COVID-19感染拡大後は、海外旅行需要が減少したことで、沖縄旅行の需要が高まり、JALにおいても羽田線に限って自社便での運航を開始。投入機材も767-300ERおよび777-200ERが投入され、ANAに劣らない供給力を実現した。
 同空港では、撮影に訪れる愛好家も多く、特に空港北側に存在するカラ岳は、着陸間際もしくは離陸直後の機体を見下ろすことができ、美しいエメラルドグリーンの海と絡められるロケーション。世界中を見渡しても珍しく、人気を集めている。

石垣空港 DATA

石垣空港 DATAISG/ROIG

標高:31.0m
面積:143ha
運用時間:8:00-21:00
滑走路:RWY04/22 (2000×45m)
着陸回数:2018年度 1万2千回(国内1万2千回・国際293回)、2019年度 1万2千回(国内1万2千回・国際309回)、2020年度 8千8百回(国内8千8百回・国際0回)
乗降客数:2018年度 259万人(国内250万3千人・国際8万7千人)、2019年度 257万2千人(国内247万7千人・国際9万4千人)、2020年度 116万人(国内116万人・国際0人)
貨物取扱量:2018年度 1万8千t(国内1万8千t・国際0t)、2019年度 1万7千t(国内1万7千t・国際0t)、2020年度 1万3千t(国内1万3千t・国際0t)
就航会社:JAL、JTA、RAC、ANA、SNJ、APJ
ターミナルビル、貨物施設の運用会社:石垣空港ターミナル株式会社
ターミナルビル設計会社:梓設計
拠点を置く航空会社、航空機保有の組織:海上保安庁第十一管区海上保安本部石垣航空基地
公的機関:国土交通省大阪航空局福岡空港事務所、農林水産省動物検疫所沖縄支所石垣分室、石垣税関支署石垣空港出張所
所在地:沖縄県石垣市
供用開始日:2013年3月7日( 旧空港の建設は1943年、海軍飛行場として)
種別:地方管理空港
設置管理者:沖縄県

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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