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那覇から南北両島を交互に三角運航 北大東空港

【連載】ニッポンの空港

文:阿施光南
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展望デッキには、一部金網があるが、金網のない部分もあり撮影は可能。
展望デッキには、一部金網があるが、金網のない部分もあり撮影は可能。ただし島内での交通手段が限られており(レンタカーなどは数が少なく借りられないことも)、腰をすえた撮影はむずかしい。

南大東まで国内最短の空路

 北大東島は、南大東島と共に那覇の東約350kmにある離島だ。船便は週に1便程度で、片道約13時間。そんな島の生活を支えるのは、やはり飛行機だ。旧日本軍の飛行場があった南大東島に対して北大東島には滑走路がなく、ようやく1971年に主に急患輸送のための臨時滑走路(800m。未舗装)が完成。さらにこれを拡張整備することで、1978年に南西航空のDHC-6が那覇との間に就航した。また1997年には滑走路が1500mに延長されてDHC-8が就航。現在はより大型で貨物容量も大きなQ400CCで運航されている。

 フライトは、南大東島線と併せて毎日1便が運航されている。すなわち那覇~南大東~北大東~那覇という三角の経路(順番は曜日によって異なる)で、このうち南大東~北大東間は国内航空路線としては最短の約12kmにすぎない。直行すればわずか3分ほどで、あまりにも近すぎるので、離陸後にいったん大きく旋回して着陸態勢を整えなくてはならないほどで、実際の飛行時間は約7分になる。

 そんな日本最短路線として知られた南大東=北大東間であるが、2024年8月1日に運休することが決定。那覇=南大東線、那覇=北大東線をそれぞれ2往復、1往復へと0.5便ずつ増便する形で島民の需要に応える方針を示している。

北大東空港 DATA

北大東空港 DATAKTD/RORK

標高:21.6m
面積:36ha
運用時間:8:00-18:00
滑走路:RWY03/21 (1500×45m)
着陸回数:2018年度 388回(国内388回・国際0回)、2019年度 385回(国内385回・国際0回)、2020年度 370回(国内370回・国際0回)
乗降客数:2018年度 1万8千人(国内1万8千人・国際0人) 2019年度 2万3千人(国内2万3千人・国際0人)、2020年度 2万2千人(国内2万2千人・国際0人)
貨物取扱量:2018年度 85t(国内85t・国際0t)、2019年度 84t(国内84t・国際0t)、2020年度 113t(国内113t・国際0t)
就航会社:RAC
所在地:沖縄県島尻郡北大東村
供用開始日:1978年6月30日
種別:地方管理空港
設置管理者:沖縄県

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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