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大村湾に浮かぶ国内海上空港の先駆け 長崎空港

【連載】ニッポンの空港

文:村田尚之
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ターミナルビル正面は埋め立てにより空港になった箕島の面影が残るエリア。
ターミナルビル正面は埋め立てにより空港になった箕島の面影が残るエリア。造成工事は1971年に着工、4年後に開港の日を迎えた。滑走路横のNAGASAKI表記は花文字となっている。

長崎から各都市、離島への拠点空港

 長崎県の中央部、大村湾に浮かぶ箕島を埋め立てて造られた海上空港。かつては対岸の大村空港(現大村航空基地)が長崎の空の玄関口であったが、1975年に現空港が開港したことで、旅客施設は移転、名称も長崎空港に改めた。
 開港時の滑走路は2,500メートルであったが、1980年には3,000メートルに延伸、1991年にはターミナル地域の拡張も完了。国内線・国際線ターミナルビルも増築を重ねており、2008年にはリニューアルオープンとなった。
 鉄道アクセスは良好とは言えない土地柄もあり、古くから航空需要が高く、2019年の乗降客数は330万人を超え、全国14位となっている。また、就航路線は国内線だけでも羽田、成田、伊丹、関西、神戸、名古屋、那覇といった主要空港に加え、五島福江や壱岐、対馬路線を有するORCの拠点となっている。
 海上空港ではあるがターミナルビル3階の展望デッキ、対岸、旅客船のりばなどから撮影も楽しめる。

長崎空港 DATA

長崎空港 DATANGS/RJFU

標高:2.4m
面積:174ha
運用時間:7:00-22:00
滑走路:RWY14/32 (3000×60m)
着陸回数:2018年度 1万5千回(国内1万5千回・国際312回)、2019年度 1万5千回(国内1万5千回・国際307回)、2020年度 9千4百回(国内9千4百回・国際7回)
乗降客数:2018年度 326万9千人(国内320万人・国際6万8千人)、2019年度 315万9千人(国内309万2千人・国際6万6千人)、2020年度 88万8千人(国内88万8千人・国際3人)
貨物取扱量:2018年度 1万3千t(国内1万3千t・国際54t)、2019年度 1万2千t(国内1万2千t・国40t)、2020年度 2千7百t(国内2千7百t・国際1t)
就航会社:JAL、ANA、SKY、SNJ、JJP、APJ、ORC
ターミナルビル、貨物施設の運用会社:長崎空港ビルディング株式会社
ターミナルビル設計会社:梓設計
拠点を置く航空会社、航空機保有の組織:オリエンタルエアブリッジ、長崎県警察航空隊
公的機関:国土交通省大阪航空局長崎空港事務所、農林水産省動物検疫所長崎空港出張所、長崎税関長崎空港出張所
所在地:長崎県大村市
供用開始日:1975年5月1日
種別:国管理空港
設置管理者:国土交通大臣

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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