連載

鍛錬の千里川土手 ~ 竹信大悟が撮ったこの一枚

文:竹信大悟 写真:竹信大悟
X Facebook LINE



月刊エアラインをはじめ数々の媒体で活躍する航空写真家が撮った一枚の写真。それぞれに、さまざまな背景があります。本連載ではそうした写真に関する一言コメントとともに、フォトグラファー渾身の一枚を紹介していきます。

 伊丹空港の写真撮影スポットと言えば千里川土手を一番に上げる人も少なくないのでは?

 その千里川土手が今大きく変わろうとしています。芝生広場や親水護岸が整備されて、2025年度中に一部が供用されると発表されています。詳細は豊中市のホームページを見ていただくとして、いずれどこかのタイミングで取材して本誌でもお知らせできればいいなと思っています。

 しかし、千里川の土手ってなぜにあんなにも人を惹きつけるんでしょうね。「そりゃもちろん!飛行機との近さ、迫力でしょ!」異論? ありません。

 でも僕はすこし違います。

 僕にとっては新しいテクニックや機材を試す場所でもあります。特にデジタルに完全移行して、夜の撮影を本格的にするようになってからは、必ず夜の千里川土手で撮影してチェックしています。千里川土手にはAFのスピードや高感度耐性などなど、カメラやレンズの能力チェックはもちろん、自身の撮影技術の技量維持など、飛行機写真を撮る上で必要なチェック項目がすべて詰まっています。

 そんな千里川土手ですが、作品としてはもう撮り尽くされたといってもいいほど、たくさんの作品が発表されています。逆を言えばそれだけ、誤魔化しの効かない撮影ポイントだと思っています。撮影者を鍛えてくれる、本当に懐の深い撮影ポイントの1つです。

竹信大悟

竹信大悟

1975年生まれ。兵庫県出身。大阪は伊丹空港をベースに、航空会社のオフィシャル撮影や日本各地の空港で航空業界を切り取るフォトグラファーであり、年間300日以上サウナに入るプロサウナー。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。

関連キーワードもチェック!