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ヨーロッパの珍しい飛行機が続々やって来る! トルコ南部のリゾート、アンタルヤ空港へ

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アンタルヤにやって来るのはヨーロッパの人だけではなく、中東や北アフリカからもバカンス客を乗せた機体が。写真はヨルダン・アビエーションの737…なんと-300!

アンタルヤの撮影環境②:午前は北風、午後は南風運用が基本だった

 アンタルヤの撮影ポイントはいくつかあるものの、基本的に外周からのスカイショットのみとなります。今回訪れた各ポイントを下の地図に描いてみました。

 空港には滑走路が3本ありますが、筆者が訪問した2024年夏は西側のRWY18C/36Cが着陸用、東側のRWY18L/36Rが離陸用と明確に分けて運用。最も西にあるRWY18R/36Lは隣接する軍の基地用で、民間機は原則使用しません。また一般的に朝は北風運用(RWY36側)でスタートしたのち、11時前後に南風運用(RWY18側)に変わることが多く、筆者が滞在した4日間とも概ねこの運用でした。

 また昼前後のアンタルヤは太陽が高く光線状態が悪いのに加えて、たとえスカイショットでも陽炎の影響が。身体を休める意味も込めて、筆者のように11時ごろ〜15時ごろまではホテルでゆっくりすると良いと思います。ちなみにホテルは空港そばの「ICホテルズ・エアポート」がおすすめ。宿泊費は少々高めですが、プールやジムを完備しています。ただし館内のレストランはお値段が張るので、「モール・オブ・アンタルヤ」のフードコートを活用しました。

今回の訪問は4日間とも基本的に同じパターンで行動。朝7時30分にテニスコートポイントでスタート→(11時前にRWY18運用になった場合は歩道橋ポイント・午前へ移動)→11時〜15時までホテルで休憩→日没の19時ごろまでゴミ捨て場ポイントで撮影(ゴミを燃やす煙が立ちこめた場合は歩道橋ポイント・午後へ避難)→モール・オブ・アンタルヤで夕食、という形でした。

ロシアのエアラインを今でも撮れる貴重な空港

 そして、現在は多くの国で乗り入れが禁止されているロシアのエアラインですが、トルコは今でも乗り入れることができる数少ない国。実はロシアの人々の間でもアンタルヤは人気で、かつては日本でもお馴染みだったアエロフロート・ロシア航空やS7エアラインズをはじめ、レッドウィングスやイルアエロ、UTエアーなど、ボーイング777-300ERからスホーイ・スーパージェット100まで、エアラインも機種も多種多様な顔ぶれでやって来ます。

アエロフロート・ロシア航空の機体は写真の737-800のほか、日本線にも投入していた777-300ERやA350-900なども飛来しましたが、登録記号は全てロシア籍の「RA-」で始まるものに変更されています。スカイチームの資格は停止中…でも特別塗装はそのままのようです。
ロシア勢の乗り入れ機材の中で最も多いのが、スホーイ・スーパージェット100です。写真はレッドウィングスが運航する機体ですが、「Special Series」と題された、まるでメーカーの試験機のようなカッコいい塗装が施されています。

日本からもワンストップ、フライトの多い夏に訪れたい

 そんな魅力たっぷりなアンタルヤ空港は、トルコ最大の都市であるイスタンブールから空路で1時間半ほど。イスタンブール線はターキッシュエアラインズなどが深夜帯も含めて24時間フライトを運航しているほか、前述の通りヨーロッパ各地とも結ばれているため、日本からもワンストップで行くことが可能です。

 訪れるなら、もちろん夏がおすすめ。冬は航空券も安いですが、それはバカンス客がほとんどいない=面白い飛行機もあまり来ないということ。

お金持ちもアンタルヤでバカンス。プライベートジェットもちょこちょこやって来ます。

 地中海の太陽を浴びながら、ひっきりなしにやってくるヨーロッパの多様なヒコーキを撮る。「海とビーチ? そんなものより空とヒコーキ!」ってタイプの方には、もってこいのデスティネーションです。

 でも…せっかく来たのだから少しくらい街に出てアンタルヤを満喫してくださいね。古代遺跡を巡ったり、ビーチで地中海の太陽を存分に浴びたり。また水を注ぐと色が変わる不思議なお酒、「ラク」を片手にいただくトルコ料理も最高ですよ!

「え、せっかくアンタルヤまで行ったのにヒコーキを撮っただけ?」と言われないように…ちゃんと街に繰り出したという証拠写真も貼っておきます(笑)。3日目の夕食では地中海の夕日を目の前に、さまざまな種類のケバブをラク(写真右下)と一緒に堪能。ラクは見た目こそカルピスサワーのようですが、結構強めのお酒なので飲み過ぎ注意です!
次の目的地であるイスタンブールへの移動前には、国内線ターミナルの制限エリア内からも少し撮影しました。写真はスウェーデンのブラーテンズ・リージョナル・エアラインズ(Braathens Regional Airlines)傘下のブラーテンズ・インターナショナル・エアウェイズが運航するA319。同国や北欧以外ではなかなか見られない会社です。
月刊エアライン編集部の日々のヒコーキ活動をユル〜く紹介する連載「ある日のヒコ活」。スポッターでもある筆者は今年の夏、トルコ南部のリゾート地アンタルヤを訪れました。ヨーロッパの珍しいエアラインたちがごそっと撮れるこの空港。その撮影環境と収穫をレポートします!