連載
「富士山」の愛称を掲げるFDAの拠点空港 静岡空港
【連載】ニッポンの空港
茶畑に囲まれ、開港から13年
静岡県には東名高速道路と東海道新幹線という2大交通幹線が通っているが、新幹線も「のぞみ」は停車せず、旅客機が就航できる民間空港もなかった。そこで2009年6月に静岡空港が開港し、翌7月には物流大手の鈴与のグループ企業であるフジドリームエアラインズ(FDA)がここを拠点として運航を開始した。FFSなどを備えた同社の訓練所も近くにあり、また同じく鈴与が出資しているフジビジネスジェットの拠点も置かれている。
空港は牧ノ原台地の上に建設され、直下を通る東海道新幹線と新駅で直結する計画もあったが、実現していない。また霧が発生やすい場所(ゆえに周辺には茶畑が多い)のため、開港から約3か月後にILSが稼働するまでは視界不良による欠航が相次いだ。なお東に10km、西に40km離れた場所に航空自衛隊静浜基地と浜松基地があるため空域は窮屈で、海側から進入して着陸し、海に向かって離陸するオポジット運用が多いのもこうした空域の狭さと無関係ではない。
静岡空港 DATAFSZ/RJNS
標高:132.0m
面積:192ha
運用時間:7:30-22:00
滑走路:RWY12/30(2,500×60m)
着陸回数:2018年度 4千8百回(国内3千7百回・国際1,052回) 2019年度 5千7百回(国内4千4百回・国際1,273回)2020年度 2千4百回(国内2千4百回・国際2回)
乗降客数:2018年度 72万7千人(国内43万8千人・国際28万9千人) 2019年度 72万2千人(国内47万6千人・国際27万5千人) 2020年度 12万人(国内12万人・国際0人)
貨物取扱量:2018年度 1,134t (国内453t・国際681t) 2019年度 1,030t (国内413t・国際617t)2020年度 34t (国内34t・国際0t)
就航会社:ANA、FDA
ターミナルビル、貨物施設の運用会社:富士山静岡空港株式会社
拠点を置く航空会社、航空機保有の組織:シークエンス航空
公的機関:農林水産省動物検疫所静岡出張所、清水税関支署静岡空港出張所、国土交通省東京航空局静岡空港出張所
所在地:静岡県牧之原市・島田市
供用開始日:2009年6月4日
種別:地方管理空港
設置管理者:静岡県
※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。
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