連載

新千歳に次ぐ道内第2のボリューム感 函館空港

【連載】ニッポンの空港

文:村田尚之
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運航便数の多さに加えて、バラエティに富んだ撮影スポッ トも魅力の函館空港。
運航便数の多さに加えて、バラエティに富んだ撮影スポットも魅力の函館空港。滑走路を挟んだ空港の南側からは駐機場で翼を休める機体も順光で狙うことができる。

ビジネス、観光ともに高需要 札幌、奥尻への道内路線も

 北海道では札幌、旭川に次ぐ人口を有する函館市は、海運や鉄道の要衝として発展を遂げてきた。一方、航空はといえば函館空港が開港したのは1961年で、国内主要空港の中では比較的歴史は浅いと言える。とはいえ、ビジネス需要に加えて、大沼国定公園や函館山といった観光資源にも恵まれており、年間を通じて安定した利用者数を誇る。コロナ禍により旅客者数は減少しているが、2020年(暦年)は国内線・国際線を合わせて約77万人が利用、順位では広島空港や大分空港にこそ及ばないが、高松空港を上まわる20位を記録している。
 こうした需要拡大を見込んでか、1971年には滑走路を1,200mから2,000mに延長、道内では千歳空港に次いで2番目にジェット機に対応した空港となった。以降も1978年には2,500m、1999年には3,000mに延長するなどキャパシティの拡大が図られた。また、ターミナルビルも1971年、2005年に建て替えられており、現在の建物は3代目である。3階には送迎デッキがあり函館山や津軽海峡が望めるが、終日逆光である。空港の南西側には空港が見渡せる公園があり、撮影ならこちらが適している。
 現在はJALグループ、ANAグループ、AIRDOが乗り入れ。最も本数が多いのは羽田便で3社合計8往復、続くのはJAL(HAC)の丘珠便である。このほか、伊丹便、セントレア便、奥尻便なども就航している。

函館空港 DATA

函館空港 DATAHKD/RJCH

標高:34.1m
面積:182ha
運用時間:7:30-20:30
滑走路:RWY12/30(3000×45m)
着陸回数:2018年度 9千3百回(国内8千7百回・国際646回) 2019年度 8千8百回(国内8千3百回・国際540回) 2020年度 6千2百回(国内6千2百回・国際2回)
乗降客数:2018年度 178万9千人(国内160万8千人・国際18万人) 2019年度 167万9千人(国内153万1千人・国際14万7千人) 2020年度 58万6千人(国内58万6千人)
貨物取扱量:2018年度 6千百t (国内6千百t) 2019年度5千7百t (国内5千7百t) 2020年度 2千3百t (国内2千3百t)
就航会社:JAL、ANA、ADO
ターミナルビル・貨物施設の管理:北海道エアポート
ターミナル設計会社:梓設計
拠点を置く航空会社・組織:海上保安庁(函館航空基地)
公的機関:国土交通省函館空港事務所、農林水産省動物検疫所函館空港出張所、函館税関監視部
所在地:北海道函館市
供用開始日:1961年4月20日
種別:国管理空港
設置管理者:国土交通大臣

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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