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ベトナム・ハノイにオープンした「キッザニア」に行ってみた。入口にはベトナム航空カラーの727…なんと元ANA機

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エントランスの727。中に入ることはできないが、長く技術系の教材機として手入れされてきたのでコンディションは悪くないはずだ。

入口にボーイング727。ノーズギアにブレーキが付いている機体の経歴をたどると…

 キッザニア・ハノイの対象年齢は4歳から15歳までなので、保護者以外の大人は入場できない。しかし「ロッテモール・ウエストレイク・ハノイ」は水族館も併設されたハノイ最大級の商業施設であり、観光やショッピングがてらキッザニアのエントランスだけでも見に行く価値はある。ここには本物の727の前方胴体が展示されているからだ。

 727の胴体は737とほぼ同じだが、ノーズギアのタイヤがリアエンジン機用の水ハネを防止する形であることと、ホイールにブレーキがついているのが特徴だ。ノーズギアにブレーキをつけた旅客機は珍しいが、727は地方空港の短い滑走路からでも離着陸できるよう、オプションでノーズギアにもブレーキをつけられるようにしていたのである。

最初は737かなと思ったが、727と気づくきっかけがノーズギア。タイヤ側面に水はねを防止する出っぱりがあるのはリアエンジン機ならではだ。
ノーズギアのブレーキも727の特徴だ。ただし寒冷地ではブレーキの熱で溶けた氷雪が再凍結して各部を固着させるトラブルがあり、ANAではあまり使われなくなったという話を元整備士から聞いたこともある。

 この機体は1980年からHL7350として大韓航空で使われていたが、1991年6月13日に大邱空港で胴体着陸事故を起こし(死者はいなかった)、仁川空港に近いインハ・テクニカルカレッジで教材として使われた。

 さらに履歴を調べていくと、なんと元はANAが1971年5月に導入した727-281(JA8331)と分かり、遠いベトナムの地での思わぬ再会に驚かされた。これからも永くベトナムの子供たちに愛され続けることになるのだろう。

子供向けの施設ながら、マニアが喜びそうな機体の履歴も説明されていた。その情報からさらに元ANAのJA8331であることが判明した。
1974年頃に羽田空港で撮影したANA時代のJA8331。後に大韓航空に売却されたが、1991年に胴体着陸事故を起こし、テクニカルカレッジの教材として使われることになった。
【連載】月刊エアライン制作余話 月刊エアライン9月号(7月30日発売)で予定している現地レポート特集「外国エアラインの最前線へ!」の取材のため、ベトナム航空協力のもと、ベトナムのホーチミンとハノイを訪れた取材班。この際、2023年10月にオープンしたキッザニア・ハノイにも立ち寄った。 ベトナム航空はここキッザニア・ハノイにパビリオンを出展しているほか、受付スタッフはベトナム航空の制服を着用、入口ではベトナム航空機のノーズ部が設置されるなど、親子がテーマパークとして楽しむのはもちろん、航空機ファンも注目のスポットなのだ。