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3月3日といえば、ANA定期国際線開設の日

3月3日は女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」。しかし今日はANAにとっても大切な日で、1986年のこの日、成田=グアム線で定期国際線の運航がスタートしたのだ。いまや羽田・成田から世界各地へと広範なネットワークを誇り、大きく成長を遂げた!

文:本誌編集部
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成田空港に着陸する国際線機のトライスターJA8522。胴体後部に搭載するRB211のNo.2エンジンを、垂直尾翼下方のS字ダクトとともに配した特徴的なプロポーション。
Photo:Kokubo Yohichi

45/47体制の終焉とともに

 かつて存在した「45/47体制」は、航空会社間の過当競争を排し、その共存共栄を図るとの観点からJAL(国内幹線及び国際線)、ANA(国内幹線及びローカル線)、そして後にJASへと改称するTDA(国内ローカル線)の航空大手3社に課せられた、国策的な事業分野の住み分けであった。
 その45/47体制が1985年に廃止されたことで、ANAは念願であった定期国際線の進出に乗り出す。1986年3月3日に就航を果たした、その最初の路線は成田=グアム線。運航機材に選ばれたのは1974年に国内幹線で就航して以来、78年からは国際チャーター便でも実績を重ねてきたANA初のワイドボディ・ジェットであるロッキードL-1011トライスターであった。

悲願の国際線進出を果たした1986年

 ANAでは全21機のトライスターを導入したが、まずチャーター時代から実績のあるJA8508とJA8509の2機が国際線へと投入され、つづいてJA8521とJA8522も充当。グアムさらには北京、大連(ともに1987年4月16日就航)、香港(同7月25日就航)、サイパン(1989年11月16日就航)へと定期国際線拡大の役割を担った。これらの機材の胴体には「全日空」のタイトルに加えて「All Nippon Airways」の欧文も併記されていた。
 グアム線就航時は、国内線仕様のオールエコノミー317席のままであったキャビンも、後に追加された2機ではファーストとビジネスの上級クラスを備える3クラスへと進化している。
 なお、45/47体制の終焉とともにANAは747-200B(747LR)も導入して、長距離国際線にも進出している。この747により初めて開設された成田=ロサンゼルス線が就航したのは、トライスターによるグアム就航から約4か月後、1986年7月16日のことであった。

2011年3月3日には、退役を間近に控えた747-400(JA8958)を使用して定期国際線開設25周年を祝うグアムヘのチャーターフライトも運航された。写真はグアム国際空港での駐機シーン。
Photo:Konan Ase
3月3日は女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」。しかし今日はANAにとっても大切な日で、1986年のこの日、成田=グアム線で定期国際線の運航がスタートしたのだ。いまや羽田・成田から世界各地へと広範なネットワークを誇り、大きく成長を遂げた!