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oneworld塗装の777-300ER、JA732Jの退役整備がスタート。羽田のJAL格納庫で売却へ向けた準備が進む

JALの777-300ERとして4機目の退役機となる、登録記号JA732Jの退役整備が始まった。
777-300ERの製造初号機であり、テストベッドとして使用された経歴を持ち、さらに「oneworld」特別塗装機としても多くのファンに親しまれてきたJA732J。JALのフラッグシップとしての役目を終え、離日へ向けた準備が進んでいる。

文:本誌編集部 写真:JAL(特記以外)
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羽田M1ハンガーで進む退役整備。離日は来年2月を予定

 2004年の受領から約21年にわたり、JALの国際線フラッグシップとしてロングホール便を中心に第一線で飛び続けた777-300ER、登録記号JA732J。11月20日に定期便ラストフライトを終え、11月25日から退役整備が始まっている。

 11月25日に羽田空港のJALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)へ移動し、退役整備をスタート。整備期間は2026年1月下旬までを予定しており、その後、2026年2月ごろに売却先へ向けてフェリーされる見込みだ。整備期間中は、現役機として使用されてきた装備類の取り外しから機体の各種点検、書類作成まで、多岐にわたる作業が行なわれる。

退役整備が始まり、機体のまわりに足場が組まれたJA732J。
マスキングが施された「oneworld」のアイコン
足場の間から姿を見せる「oneworld」のロゴ。キャビンの窓はすべてマスキングが施されている。
羽田M1ハンガーで退役整備が進められているJA732Jを機体前方からのぞむ。
羽田M1ハンガーで退役整備が進められているJA732Jを機体後方からのぞむ。
羽田M1ハンガーで退役整備が進められているJA732Jを機体下部からのぞむ。
登録記号も売却先へ登録が移されると同時に、JA732Jから新しい番号へと書き換わる予定だ。

テストベッドとしてキャリアをスタート。太陽のアーク時代から「oneworld」塗装を纏った人気の機体

 JA732Jは2002年12月、777-300ERの製造初号機(MSN32430、LN423)としてロールアウトし、2004年7月1日にJALが受領。同社にデリバリーされるまでは、ボーイングのテストベッドとして各種試験に使用されていた。

 最大の特徴は、機首に大きく描かれた「oneworld」の特別塗装だ。現行の鶴丸カラーとなる前の「The Arc of the Sun(太陽のアーク)」時代からこの特別塗装を纏っており、「エコジェット」として特別塗装を施されていたJA734Jなどとともに、多くのファンに親しまれた。

 JA732Jの最終運航は、11月20日のシドニー発羽田行きJL52便。整備期間の確保のため当初計画より前倒しでの退役となったが、ラストフライトはほぼ定刻どおりに羽田へ到着し、静かに現役を締めくくった。JALでの総飛行時間は8万9,860時間39分、総飛行サイクルは1万1,358回だった。

11月19日夜、JL51便としてシドニーへ向けて出発するJA732J。この復路のJL52便をもって、JALでの営業運航を終えた。
Photo: @_@
営業運航を終え、羽田のM1ハンガー前に駐機するJA732J。
営業運航を終え、羽田のM1ハンガー前に駐機するJA732J。

これまで退役した3機はすべて白塗装で離日。「oneworld」特別塗装も見納めか

 JALの777-300ERは、これまでに3機が退役済みだ。

1機目:JA734J(2024年11月20日運航終了、同年9月19日夜フェリーアウト)
2機目:JA731J(2025年5月27日運航終了、同年8月4日夜フェリーアウト)
3機目:JA735J(2025年9月9日運航終了、同年11月10日フェリーアウト)

 いずれも退役整備の過程でJALのタイトルやロゴが消され、全面白色の姿へと変わって離日している。今回のJA732Jについても、同機の象徴ともいえる「oneworld」ロゴを含め、白塗りとなる可能性は高いだろう。

11月10日、全面白色の塗装となって羽田からアメリカへとフェリーされたJA735J。
Photo: 本誌編集部

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