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JAL&北海道大学、定期便航空機を活用した海洋観測を開始
北海道大学とJALグループは、2025年夏から定期便を活用した世界初の赤潮モニタリングを開始し、水産業の被害軽減を目指す。
文:本誌編集部
JALと北海道大学は、2022年6月に締結した連携協定の一環として、HAC(北海道エアシステム)の航空機1機に機外カメラを搭載し、世界初となる定期便航空機を活用した赤潮モニタリングを2025年夏より開始する。
北海道では赤潮被害が顕著であり、水産業に甚大な被害をもたらしている。赤潮の早期検知と被害防止のためには、広範囲かつ高頻度での観測が重要とされているが、定期便航空機は一定の飛行経路を頻繁に飛行するため、モニタリングの手段として適していると期待されている。
この取り組みでは、HACのATR42-600の機体後方下部の胴体パネル上に観測用のマルチスペクトルカメラを設置し、丘珠=函館線、函館=奥尻線、丘珠=利尻線の路線においてモニタリングが実施される予定だ。
観測初期は函館湾を対象海域とし、将来的には噴火湾や利尻水道なども含めた広範囲での観測が視野に入れられている。
この観測で得られた画像データは北海道大学に転送され、同大学の笠井亮秀教授が開発した赤潮検出手法を用いて解析。赤潮の分布を可視化し、データを水産業関係者に迅速に提供することで、赤潮による被害を未然に防止することを目指している。