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エアバス、A321XLR初号機をイベリア航空にデリバリー
エアバスが最新機A321XLRをイベリア航空に初納入。超長距離飛行と快適な空の旅を実現する注目の機体だ。
エアバスは10月30日、最新の単通路型旅客機A321XLRの初号機をスペインのイベリア航空に引き渡した。これにより、イベリア航空はA321XLRを世界で初めて運航する航空会社となった。A321XLRは、CFM InternationalのLEAP-1Aエンジンを搭載し、イベリア航空の欧州地域路線での運航開始後、11月下旬にはマドリード-ボストン間の大西洋横断路線にも投入される予定である。
イベリア航空に引き渡されたA321XLRの客室は、2クラス制で182席を備えている。ビジネスクラスには、通路に直接アクセスできるライフラットシートを導入し、エアバスの最新客室「Airspace」により、全クラスの乗客に快適な空の旅を提供する設計が施されている。収納容量が従来比60%増加した荷物棚や、全座席でのインターネット接続が可能な設備、最新の照明システムを採用しており、より快適でスムーズな搭乗環境を提供する。
A321XLRは、A320neoの最新派生型で、従来機よりも航続距離と輸送力の向上を図っている。航続距離はA321LRよりも15%長い4,700NMを実現し、単通路機としては超長距離飛行が可能である。旧世代の競合機と比較して、座席当たりの燃費を30%削減しつつ、NOxの排出や騒音も低減する環境性能を備えている。A321XLRはこれまでに500機以上の受注を獲得しており、市場のニーズに応える重要な機種となっている。
A321XLRの初号機は、2022年6月に初飛行を行い、その後3機の試験機を用いた試験プログラムが実施された。A321XLRは、エアバス機共通の特長として、持続可能な航空燃料(SAF)を最大50%まで使用することが可能で、エアバスは2030年までに全機種でのSAF 100%利用を目指している。