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プレステージ・スイートは個室型に! 大韓航空の最新鋭機787-10、そのキャビンをチェック

7月25日より就航した、大韓航空のボーイング787-10。ソウル(仁川)=成田線でデビューしたこの最新鋭機では、ビジネスクラスの新プロダクトとなる「プレステージスイート2.0」を搭載するなど、キャビンが大きく進化した。成田空港で早速、その機内へと足を踏み入れた。

文:ウォレンス雄太(本誌編集部) 写真:ウォレンス雄太(本誌編集部)
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成田空港に駐機する大韓航空の787-10。運航開始から7年が経った787-9で見慣れているこのカラーのドリームライナーだが、約5mもストレッチされた胴体は圧巻だ。
成田空港に駐機する大韓航空の787-10。運航開始から7年が経った787-9で見慣れているこのカラーのドリームライナーだが、約5mもストレッチされた胴体は圧巻だ。

大韓航空の新たな中型主力機、787-10

 中型機フリートの新たな主力機として、ボーイング787シリーズを2017年から運航する大韓航空。先に導入した787-9に加え、2024年7月25日からは787-10の運航も開始した。

 同社が787-10の導入を決定したのは、2019年のこと。そして2024年7月20日に1号機となる登録記号HL8515がソウルの仁川空港に到着した。また、そのデリバリーと時期を同じくして、ファーンボロ・エアショー2024で787-10×20機の追加発注も発表している。

 ビジネス(プレステージ)クラス36席、エコノミークラス289席の計325席を装備する同機種では、キャビンをリニューアル。中でも注目すべきはビジネスクラスが個室型の「プレステージ・スイート2.0」に進化した点だろう。さらに、A321neoなどから搭載が始まった機内Wi-Fiも装備している。今回、成田空港に駐機中のHL8515に入り、この新キャビンを見学した。

787-9と比較して約5mストレッチされた胴体。前方のL1/R1〜L2/R2ドアの間に、プレステージスイート2.0が搭載されている。
787-9と比較して約5mストレッチされた胴体。前方のL1/R1〜L2/R2ドアの間に、プレステージスイート2.0が搭載されている。

ドア付きの個室タイプに進化したプレステージ・スイート2.0

 L1ドアから787-10の機内に一歩足を踏み入れると、まず目に入ってくるのがプレステージスイート2.0だ。各スイートはドアを装備した個室型となり、プライバシーが向上。さらに韓国のポジャギ(伝統的な刺繍布)をイメージした模様をデザインし、カラーも従来の水色のシート+ホワイトのパーティションから、朝鮮王朝時代の白磁のようなクリーム色、真鍮のような金色、青味がかったチャコールグレー、黒などのカラーでまとめるデザインに生まれ変わったことで、より落ち着いた空間に仕上がっている。

横1-2-1の配列で36席が装備されるプレステージ・スイート2.0。
横1-2-1の配列で36席が装備されるプレステージ・スイート2.0。

 シートは幅53cm、長さ198cmのフルフラットシートで、高さ132cmのパーティションで囲まれる。また個人用画面は787-9の17インチに対し24インチへと拡大し、4KやBluetoothオーディオにも対応した。さらにユニバーサル電源やUSB Type-Cポートに加えてワイヤレス充電器も装備するなど、より快適でパーソナルな空間へと進化している。

従来はなかったドアが装備されるとともに、カラーリングが変更されたことでより落ち着いた空間となったプレステージスイート2.0。大型のテーブルも装備し、PC作業も捗る。個人用画面は24インチの4Kモニターだ。
従来はなかったドアが装備されるとともに、カラーリングが変更されたことでより落ち着いた空間となったプレステージ・スイート2.0。大型のテーブルも装備し、PC作業も捗る。個人用画面は24インチの4Kモニターだ。
中央列はスイートが2席並ぶ。間にある大型のパーティションは可動式で、隣が同行者の場合は下げることが可能だ。
中央列はスイートが2席並ぶ。間にある大型のパーティションは可動式で、隣が同行者の場合は下げることが可能だ。
シート横には鏡付きの小物入れと個人用画面のコントローラーなどとともに、ワイヤレス充電器も設置されている。
シート横には鏡付きの小物入れと個人用画面のコントローラーなどとともに、ワイヤレス充電器も設置されている。

モニターが従来より大型化×4K対応となったエコノミークラス

 一方のエコノミークラスにも、新たなプロダクトが搭載されている。幅44cm、シートピッチ81cmのシートには、従来と比べて2インチ拡大した13インチの個人用画面を装備。さらにプレステージクラスと同じく4K対応だ。リクライニング角度は最大120度。座席下には共用のユニバーサル電源とUSB Type-Cポートを装備する。

3-3-3の横9列配置で289席が搭載されるエコノミークラス。L2ドア後方のコンパートメントは青を基調とするシートが並ぶ。
3-3-3の横9列配置で289席が搭載されるエコノミークラス。L2ドア後方のコンパートメントは青を基調とするシートが並ぶ。
機内最後方は赤を基調としたシート。エコノミークラスのシートピッチは81cmで、最大120度までリクライニングする。
機内最後方は赤を基調としたシート。エコノミークラスのシートピッチは81cmで、最大120度までリクライニングする。
従来と比べて2インチ拡大した4K対応の個人用画面が存在感を放つ。
従来と比べて2インチ拡大した4K対応の個人用画面が存在感を放つ。
足元には共用のユニバーサル電源とUSB-Cポートを装備。
足元には共用のユニバーサル電源とUSB-Cポートを装備。

今後は長距離路線にも投入予定、本誌は日韓線のフライトでいち早く体験!

 大韓航空の787-10は8月1日から、ソウル(仁川)=バンコク(スワンナプーム)線にも投入を開始。今後はプレステージ・スイート2.0の真価が発揮される長距離路線へも就航する予定だ。また今後機数が増えていくとともに、大韓航空の他の長距離路線用フリートと同様、成田に限らず日本各地の路線にも投入されることだろう。この787-10では機内Wi-Fiサービスも提供され、新キャビンと合わせて韓国、そしてその先へのフライトに、グレードアップされた選択肢が用意される。

 さて、筆者は成田に残り787-10の出発を見送ったが、本誌の村田尚之カメラマンがそのままプレステージクラスに搭乗し、ソウルへと向かった。また復路は同じ787-10のエコノミークラスに搭乗予定で、大韓航空の最新キャビンを両クラスで体感する。その模様は8月30日発売の月刊エアライン2024年10月号でたっぷりとお届けする予定だ。

 また成田に残された筆者も、6月にリニューアルした大韓航空ラウンジから787-10の出発を見届けており、その詳細は別の記事で追ってレポートする。

成田空港25番ゲートを出発し、離陸のためRWY16Rに向かう大韓航空の787-10初号機、HL8515。
成田空港25番ゲートを出発し、離陸のためRWY16Rに向かう大韓航空の787-10初号機、HL8515。
7月25日より就航した、大韓航空のボーイング787-10。ソウル(仁川)=成田線でデビューしたこの最新鋭機では、ビジネスクラスの新プロダクトとなる「プレステージスイート2.0」を搭載するなど、キャビンが大きく進化した。成田空港で早速、その機内へと足を踏み入れた。

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