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スプリング・ジャパン、成田=北京線に新規就航。北京行き初便はほぼ満席

スプリング・ジャパンは8月1日、成田=北京線の運航を開始した。この路線は自社便ではなく、機材と乗員をウェットリースし、JAL便をスプリング・ジャパンのサービスで運航するという新たなスキームを特徴とする。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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スプリング・ジャパンは、JALへ機材と乗員をウェットリースする形で成田=北京(首都)線に新規就航。7月23日の発表から短期間にも関わらず、189席に対して184名が搭乗する盛況ぶり。

 スプリング・ジャパンは8月1日、成田=北京(首都空港)線の運航を開始。現時点において成田=北京線を運航する唯一の国内エアラインとなった(コードシェア便は除く)。また同日には、成田=上海(浦東)線も増便している。

 8月1日から運航を開始した各便の航空運送事業者はJALだが、スプリング・ジャパンがJALへ機材、乗員をウェットリース。JALの委託管理の下、スプリング・ジャパンの運航規程に基づいて運航、サービスの提供が行なわれるのが特徴だ。

 JALグループが持つアセットをグループ各社が協力して活用する格好で、例えば機材や人員の関係でJALが発着枠を活かしきれない場合があったとして、これを補完すべく機材や人員をグループ会社のアセットでまかなう、といったグループ内での協力を具体化したものといえる。

 今回はJAL便名の定期便に、コードシェアでスプリング・ジャパン便名も付与している。少々ややこしいのは、各便の登録上の航空運送事業者はJALだが、運航するのはスプリング・ジャパンという点で、各種ハンドリングにおいてもJAL便名で取り扱われるほか、管制のコールサインも「Japanair」が使用される。便名もJLは4桁、IJは2桁となっている点も、コードシェアの関係をますます分かりにくくしているように感じられる。

 とはいえ、この便名については、利用者には「よい意味での誤解」につながるのではないだろうか。つまり、ウェットリースのことを意識せず、2桁便名でいかにも運航主体然としている「IJ便に乗る」という感覚でこの便を見れば、使用ターミナルもサービス内容も正しく理解して利用できるはずだ。

 そんなわけで、成田空港では第3ターミナル、北京首都空港では第3ターミナル、上海浦東空港では第2ターミナルを使用することになる(JALは成田ではT2、浦東ではT1を使用)。マイレージサービスについても、スプリング・ジャパン基準となるため、JALマイレージバンクのマイルは付与されないほか、ラウンジの利用もできない。機内持ち込み手荷物のルールもスプリング・ジャパンのルールに基づいたものとなる。

 例外は、JAL便名で購入した場合のみ、座席指定や預け入れ荷物と超過手荷物、イレギュラー対応がJAL基準または特例基準となる。とはいえ、当面、JAL便名での販売は、中国の上海春秋国際旅行社での予約に限定されることから、個人旅行や日本発便はIJ便名でのみ購入可能となっている。

成田=北京(首都)線
運航日:8月1日~10月26日(特定日除く)運航、週7便
JL8689/IJ017便:成田(17時55分)発→北京(21時15分)着
JL8680/IJ018便:北京(10時45分)発→成田(15時30分)着

スプリング・ジャパン株式会社 執行役員 管理本部 本部長の大佐古将彦氏。

 初便を迎えた8月1日の搭乗ゲート前では、スプリング・ジャパン株式会社 執行役員 管理本部 本部長の大佐古将彦氏があいさつ。「弊社では約3年半ぶりとなる新規路線の就航。皆さまをお迎えできたことをうれしく思う」と待合スペースの旅客にお礼を述べた。

 中国の首都への新規就航となったことについては、「日中の架け橋として路線をはっているが、上海や北京といった大都市は基盤になる路線だと思うので、ここを運航できるのはよいこと。中心になる路線だと思う。(ウェットリースについて)JALグループのなかでもっともよい方法を考え、もっともメリットがあり、理に適った形で実現できたと思っている」とコメントした。

 路線開設の発表が7月23日で就航日が8月1日と、非常に短い売り出し期間となったが、189席に対し184名が搭乗。「中国から日本に来る方、在日中国人の方の移動の需要は非常に旺盛だと思う」とし、求めやすい価格もあり、今後も高い搭乗率を維持できるのではないかとの見方を示した。

初便の搭乗客には記念品を配付。
機内へ向かう旅客を横断幕を持って見送る、新制服を着用した客室乗務員やスタッフ。
夕陽を受け、北京へと出発するJL8689/IJ17便。初便の機体はJA03GRが使用された。
スプリング・ジャパンは8月1日、成田=北京線の運航を開始した。この路線は自社便ではなく、機材と乗員をウェットリースし、JAL便をスプリング・ジャパンのサービスで運航するという新たなスキームを特徴とする。

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