特集/本誌より

AIRDOとソラシドエア、旅客サービススキルコンテスト「New Smile Award」を開催。一丸となって高める“おもてなしの心”

「新しい笑顔-New Smile」と「届ける-News」、「距離-Mile」を掛け合わせ、「距離を越えて(北海道と九州・沖縄)届ける」という2つの意味を持つ「New Smile Award」。AIRDOとソラシドエアが、空港でのおもてなしの知見と経験を共有する。

文:本誌編集部 写真:深澤 明
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「New Smile Award」の受賞者3名。左から「ハートフル賞」AIRDO 帯広空港所 櫻井いおりさん、「ゴールデンスマイル賞」ソラシドエア 東京空港支店 田羽多 夏永さん、「ライジングスマイル賞」ソラシドエア 東京空港支店 岡村侑李さん。

“おもてなしの心”を磨き、サービスの品質向上を目指す

 10月28日、「リージョナルプラスウイングス」傘下の北海道の翼「AIRDO」と九州・沖縄の翼「ソラシドエア」が、旅客係員のサービススキルコンテスト「New Smile Award」を合同開催した。

 「New Smile Award」は、旅客係員の品質の向上、知見の共有、グループ全体の結束力や総合力を強化させることを目的として開催されているもの。

 2019年と2020年に「Seed Smile Contest」の名称で、ソラシドエアが先行開催しており、2022年に経営統合。2025年3月に2社合同で初となる「New Smile Award」を開催。今回は2回目の開催で、両社が培ってきた“おもてなしの心”を共有し、両社の絆をさらに深め、グループ全体の魅力や価値をより一層磨くことを目的とし、顧客サービスの品質向上に繋げていく。

「新たな軌跡を描こう〜おもてなしがつなぐ北と南の空〜」をテーマに実施。

一人ひとりに込められた、安心を支えるサービススキル

 本コンテストは、各社から他薦や自薦で選出した旅客係員12名が参加。第1部と第2部の各テーマに沿って、乗客対応のロールプレイを行ない、各社の役員が審査する。

 資格により「ゴールデン部門」「ライジング部門」の2つの階層に分けて審査され、乗客が求める要望や伝えたい内容・事前期待を察知し、知識に基づいた安心感のある対応と、プラスアルファの提案や行動により、乗客を笑顔にできているかを審査のポイントとする。

審査は、「笑顔」「柔軟性」「観察力」「行動力」などの各基準をもとに評価される。

 第1部は、部門別に共通のシチュエーションで接客を行なう。「ライジング部門」は、初めて飛行機を利用する乗客を対応。搭乗口の案内や荷物の預け方、おすすめのお土産の提案などをシミュレーション。

 「ゴールデン部門」は、搭乗時間に間に合わず、予約した飛行機に乗れなくなってしまった乗客を対応。予約した飛行機に乗れない事実を伝え、飛行機の代替案の提案、預入手荷物の刃物類の確認や、空席があった場合に早めの飛行機に乗れる可能性があることを案内する。

 各部門シチュエーションは同じだが、言葉選びや話術で、人柄や接客の違いが伝わってくる。

第1部の審査に挑む櫻井さん、田羽多さん、岡村さん。常に笑顔で一人ひとりの乗客と向き合う。

 第2部は、それぞれ異なるシチュエーションで接客を行なう。車いすを希望する方や1人で搭乗する妊娠中の方、ベビーカーを必要とするお母さんと赤ちゃん、さらには子どもの一人旅の案内など、さまざまな乗客の対応を求められた。

 どのような乗客を担当するのかは、実際の審査の順番が回ってくるまでわからない状態、予測不能な質問がある中でも、普段通りの接客スキルを発揮し柔軟に対応していた。

第2部の車椅子対応。機内から富士山の景色を楽しみたい乗客に、座席変更の提案も。心配りは隅々まで行き渡る。
第2部のベビーカー対応。新千歳から羽田へ向かう乗客に、空港で貸し出し可能なベビーカーを案内し、到着地の羽田でも利用できることを説明。引き継ぎも徹底して行なう。
第2部の預入手荷物の対応。鹿児島から先、飛行機で乗り継ぎがある乗客に、超過手荷物料金について案内。既定がある三脚のサイズを計り、機内へ持ち込みができることを伝える。

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乗客を “笑顔”にし、最も輝かしいおもてなしを届けたのは