特集/本誌より
ANAが新規就航、ストックホルム・アーランダ空港ってどんなところ?

エリアや国ごとに個性や魅力に満ち溢れるヨーロッパ。ANAは2024年12月にイタリア・ミラノ、2025年1月にスウェーデン・ストックホルム、2月にトルコ・イスタンブールに新規就航を果たし、現在ではヨーロッパ9空港に路線を展開しています。今回の3路線就航により、西ヨーロッパに加えて、南北ヨーロッパ(イギリスも広義では北ヨーロッパですが)へ直行便でアクセス可能となり、利便性も大きく向上しました。

5つのターミナル、3つの滑走路、203の路線を持つ要衝
新規就航にあわせて訪れたストックホルムは北欧最大の都市であり、歴史や文化、美しい自然といった魅力に満ちた街として知られています。また、大都市の例に漏れずストックホルムと近郊エリアには複数の空港がありますが、ANAは同国の玄関口であり、ストックホルム最大の空港である「アーランダ空港」に就航しました。
筆者は空港巡りも趣味の一つですが、勝手が分からない海外の空港は新たな発見や驚きもある一方、ちょっとした緊張も伴います。今回、ANAの初便就航イベントにあわせて空港見学会も行なわれたので、アーランダ空港についてご紹介いたしましょう。
南北に長く、日本よりもやや広い国土を有するスウェーデンには数多くの空港がありますが、アーランダ空港を含む主要10空港は国営企業である「Swedavia AB(スウェダビア)」が所有・運営しています。アーランダ空港はストックホルムの市街地から北に35kmほどの距離に位置しており、3本の滑走路と4つのターミナルビルを擁しています。

このアーランダ空港は北欧エリアのハブ空港でもあり、現在は4大陸43か国の118都市・128空港に203路線を展開しています。また、スウェダビアが管理する10空港を合算した旅客数は3,200万人(2024年)のうち、2,270万人がアーランダ空港と言いますから、その規模も想像いただけるでしょうか。
ちなみに、2023年国内首位の羽田空港は約8,000万人、3位の福岡空港が2,400万人ですが、スウェーデンの人口は約1,050万人なので、その賑わいや健闘ぶりがお分かりいただけことでしょう。

さて、4つあるターミナルビルは「スカイシティ」と呼ばれる中央商業ゾーンを中心に、南側にターミナル2、3、4とターミナル5のゲートC(各ゲートはフィンガー方式)、北東側にターミナル5のゲートD、E、Fと、「く」の字状に配置され、館内通路で結ばれています。
国内線と国際線の棲み分けは、主にターミナル2が国際線、ターミナル3が国内線、ターミナル4と5は国内・国際線という運用となっています。アライアンスごとには分かれていないので、初めての乗り継ぎでは少々注意が必要かもしれませんが、案内の看板やディスプレイ、ピクトグラムも分かりやすいので、混乱することはなさそうです。


また、空港といえば気になるのが、保安検査と出入国審査。筆者は今回、入国・出国ともロンドン経由でしたが、イギリスはシェンゲン協定に加盟していないので、日本発着と同じ扱いでの体験となります。

まず到着時ですが、自動化ゲートではなく職員による入国審査を受けますが、入国カードなどは不要です。渡航目的などは尋ねられるものの、前後の到着便もなかったことから10分程度で通過できました。
一方、出国時はチェックイン・手荷物を預けたあとに保安検査を受け、商業エリアを抜け、出国審査場、国際線(非シェンゲン国)搭乗ゲートのあるゲートFエリアの順に進みます。つまり、日本とは商業エリア・出国審査の順番が逆なので、のんびりしていると搭乗時刻に間に合わないので時間に余裕を持って行動する必要があります。
マイレージクラブ上級会員などはSASラウンジを利用できますが、このラウンジも出国審査の前、商業ゾーンにあるのでくれぐれもご注意を。
そして、現地出発時では特に気になる保安検査ですが、アーランダ空港では2023年に最新設備を備える検査場をオープンし、待ち時間を大幅に短縮したそうです。実際、検査場入口にも長い列などは見られず、平日午前発の筆者もスムーズに通過することができました。ストレスを感じない出入国、これもアーランダ空港の美点といえるでしょう。


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続いて館内の商業施設とランプの眺めをチェック!
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