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鈴与グループの航空事業を担う“エスエーエス”で働く、その責任とプライド

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ランプエリアで繰り広げられる、エスエーエスの鮮やかなチームワーク
マーシャラーの誘導で機体がスポットに停止すると、ただちに前輪に車輪止めがセットされエンジンを停止。さまざまな地上作業が開始される。

まずは、到着機を安全に駐機スポットへと導くこと

 航空機が到着してから出発するまでの地上業務を「ランプハンドリング」という。その業務は到着機がスポットに駐機する前からすでに始まっており、まずは航空機が停止するスポットの周辺の安全が確認される。たとえば小さな石ひとつでも、エンジンが吸い込めば故障や安全運航を阻害する要因となるからだ。

 着陸した航空機がエプロンに入ってきたら、マーシャラー(誘導員)がパドルを高く掲げ、スポットに向けて誘導する。正しい経路を通らなくては地上の設備などに接触してしまう危険があるし、停止位置がずれると作業が円滑にできなくなる可能性がある。マーシャラーはパイロットと呼吸を合わせ、所定の位置に航空機を誘導していく。

 航空機が停止するとランプスタッフが前輪に車輪止めをセットし、パイロットはエンジンを停止させる。それを確認したうえで機体左側に旅客搭乗橋(PBB)を接続し、開かれたドアから乗客を旅客ターミナルへと誘導。

 同時に機体右側では貨物室のドアが開かれ、ベルトローダーを使って乗客から預かった手荷物を降ろしていく。乗客を長く待たせることがないよう迅速に、しかし丁寧な作業でターミナルビルのターンテーブルに運んでいくのである。

 また手荷物以外に航空貨物が搭載されている場合には、貨物上屋(うわや)に運んで顧客への引き渡しのための手続きを行なう。エスエーエスでは国際貨物の通関や保税の手続きなども担当している。

出発を前にトーイングトラクターを接続する。取材時点ではFDAとANAのほか、チェジュ航空、中国東方航空、北京首都航空の旅客機を担当していた。
到着前にスポットの安全確認と打ち合わせを行なう。ランプ業務は4名1チームが基本だが、資格取得のための訓練生や教官が加わることもある。
右手を高く掲げてパイロットに出発準備完了を合図。このあと、乗客たちに手を振って見送る。手を振り返してくれる乗客も多いという。

飛行機のすぐ近くで働く、ランプ業務という“特別な仕事”の魅力

ランプ課 宮﨑諒士さん

「ランプ業務は、飛行機のすぐ近くで仕事ができることが何よりの魅力です。私は前職で羽田空港や那覇空港でもランプ業務の経験があるのですが、結婚を機に静岡に移ったあとは航空以外の仕事に就いたこともありました。しかし空港から離れることで、そこが自分にとっていかに特別な場所であったかということを改めて強く感じたのです。生きた旅客機の近くで働くためには、安全のため作業ごとに資格が必要になるなど大変なことも多くあります。しかし、そうした専門のスキルも含めて、ランプ業務は普通では体験できない特別な仕事なのだと感じています」


多くの旅客機は主翼下の給油口から圧力をかけて燃料を送り込む。着陸時の残量も計算に入れてフライトプラン通りになるよう給油する。
会社ロゴは設立時の社名である「静岡エアポートサービス」の頭文字と富士山がモチーフ。さらに、「S」にはセーフティ(安全) の意味も込められている。
兄弟会社であるFDAは1機ずつ旅客機の色を変えているが、エスエーエスの給油車は全国共通で、茶葉やミカンなど静岡をイメージさせるカラーリングだ。

ぜひ挑戦したかった仕事、給油作業のほか航空燃料の品質検査も

給油課 福岡泰佑さん

「以前は成田空港でグランドハンドリングスタッフをしていましたが、地元静岡で働けることに魅力を感じて転職しました。当初はランプ課所属でしたが、エスエーエスのように給油業務まで行なっている会社は珍しいですから、ぜひ挑戦してみたいと思い手を挙げました。給油をしている様子は展望デッキなどからも見ていただけますが、それ以外にも燃料の品質検査や給油車の整備など、さまざまな業務を行なっています。また教官として後輩の指導も担当しており、指導や応援のため丘珠や県営名古屋、松本空港などの事業所に派遣されることもあります」

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