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健康や宗教上の理由があっても機内食は食べられる「特別機内食」の種類と内容

人種や国籍の違う老若男女が一緒になる国際線の機内。
これだけの人が揃えば、健康上の理由や信仰する宗教などによって食べることのできない食材や食事というものが発生してくる。
そのため各エアラインでは「特別機内食」というものを用意し、さまざまな制約がある乗客でも機内食を楽しめるようにしている。
ここでは主な「特別機内食」を紹介しよう。
※この記事は 『航空旅行vol.28』(2019年1月発売)から抜粋・再編集したものです。

文:『航空旅行』編集部
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●ラクトオボ・ベジタリアンミール
肉類や魚介類は使わないが、卵や乳製品は摂取できる機内食。

●アジアン・ベジタリアンミール
肉類や卵は摂取しないが、魚介類と乳製品は食べられる機内食。

●厳格(ビーガン)・ベジタリアンミール
完全菜食主義向けの機内食で、卵や乳製品を含めて一切の動物性食品を摂らないメニューで構成される。

●モスレム(ムスリム)ミール
イスラム教の規定と習慣に則って用意され、豚肉、ゼラチン、アルコールとそこから抽出された香味成分などは摂らないハラール認証を受けた機内食。ちなみにイスラム教を国教とする中東のエアラインなどは、通常メニューもすべてハラールミールのため、事前予約の必要はない。

●インディアン(ヒンドゥー)ミール
ヒンドゥー教の規定に則ったインドのベジタリアンミールで、牛肉や豚肉を使わない。

●コーシャー(ユダヤ教徒)ミール
ユダヤ教の戒律に則って調理され、祈祷・封印されたユダヤ教徒のための機内食。羊肉、豚肉、エビ、イカ、タコなどは含まれない。

●糖尿病対応ミール
糖尿病患者に対応した食事で、糖分の多いジャム、ケーキ、チョコレートなどは避け、脂肪分の少ない赤身の肉や野菜など繊維質の多いメニューで構成される。

●低脂肪/低コレステロールミール
心臓病や脂肪肝など疾患がある等の理由で、脂肪・コレステロールを制限している乗客のための機内食。塩分を抑え、脂肪分の少ない赤身の肉など、低カロリーで繊維質なメニューで構成される。

●ブランドミール(柔軟食)
胃腸疾患のある方のための機内食で、マスタードや辛い香辛料など胃に刺激を与える可能性のある食品を排している。また揚げ物や脂肪の多い食品も避ける。

●低乳糖ミール
乳糖(ラクトース)制限のある乗客のための機内食。牛乳やクリーム、チーズ、ヨーグルト、バターなどを使わない。

●低カロリー食
脂肪・コレステロール含有物を制限した食事で、揚げ物やチーズ、高カロリーのデザートなどを控え、生野菜や低脂肪の肉や魚が中心。1食あたり400㎉前後を目安に調整されている。

●アレルギー対応ミール
特定の食品にアレルギーを持つ乗客向けのメニュー。7品目アレルゲン(小麦、蕎麦、乳製品、卵、落花生、えび、かに)を使用しないものと、さらに20品を加えた27品目(あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、ごま、カシューナッツ)を使用しないアレルゲン対応食がある。

●グルテンフリーミール
小麦、大麦、ライ麦、カラス麦、スペルト小麦など、グルテンを含む穀物とそれを原料とした食品を使わない機内食。

●フルーツプレート
オレンジ、メロン、グレープフルーツなど果物の盛り合わせだけで構成される機内食。フルーツを含むデザートやパンが付くこともある。

●チャイルドミール
エアラインによって若干の違いがあるが、2歳から12歳までの子供を対象にした食事。ハンバーグやスパゲッティなど、子供が好きなメニューで構成され、さらに魚や肉の骨は除いたり、香辛料を控えたりするなど食べやすさにも配慮されている。

●ベビーミール
0歳から2歳くらいまでの乳幼児を対象にした食事。いわゆる離乳食期の食事で、市販されている瓶詰めのピューレやスープなどが提供されることが多い。1歳未満の離乳食と2歳未満の幼児食を分けているエアラインもある。

「特別機内食」は要予約

 「特別機内食」は通常のメニューとは異なるため、利用する場合はどのエアラインでも事前の予約が必要だ。予約の仕方はエアラインによって異なるものの、ホームページ上や予約センターに電話してリクエストするのが一般的。ただし受付は出発24時間前までなど期限が決まっているので、利用する場合は航空券の購入と同時に予約しておくと安心だろう。
 また、先に紹介した「特別機内食」は一例で、エアラインによって呼び名が異なる場合もあるほか、用意している「特別機内食」の数も異なる。メニュー内容についても各社のホームページで確認してほしい。

人種や国籍の違う老若男女が一緒になる国際線の機内。 これだけの人が揃えば、健康上の理由や信仰する宗教などによって食べることのできない食材や食事というものが発生してくる。 そのため各エアラインでは「特別機内食」というものを用意し、さまざまな制約がある乗客でも機内食を楽しめるようにしている。 ここでは主な「特別機内食」を紹介しよう。 ※この記事は 『航空旅行vol.28』(2019年1月発売)から抜粋・再編集したものです。

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