航空旅行

まもなく開幕!大阪・関西万博の前に開催されたドバイ万博の思い出

早いもので来月13日から、大阪・関西万博が始まりますね。
せっかく開催するのですから、ぜひ盛り上がって、各方面にポジティブな影響を与えてくれればと願っていますが、
実は『航空旅行』では、前回のドバイ万博を取材していました。
記事は『航空旅行vol.40』に掲載していますが、ここからドバイ万博の部分を抜粋、再編集してお届けしましょう。

文:『航空旅行』編集部 写真:大橋マサヒロ
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本来は2020年に開催される予定だったドバイ万博はコロナ禍で延期となり、会期は2021年10月1日~2022年3月31日の182日間でした。

まだPCR検査が必要だったときに開催

 『航空旅行』取材陣がドバイ万博を取材したのは2021年11月のこと。まだ海外旅行に行くにはPDR検査が必要で、出発前に成田で、帰国時も、このときはドバイを経由してパリまで足を伸ばしたのですが、パリを出発するときも、ドバイを出発するときも、飛行機に乗るたびに計3回PCR検査を受けました。特にパリで受けたPCR検査はフランス語がよく分からず、なかなか結果が来なくてヤキモキしたのですが、これも今となっては旅の忘れられない思い出です。
 さて、ドバイ万博、それはそれはある意味ドバイらしい、派手な演出で豪華絢爛なものでした。ビジネス、観光の両面で目覚ましい発展を遂げるドバイは“世界初”や”世界一”などといった枕詞の付くものが数多くありますが、この街のイメージをしっかり体現したような内容でした。
 ドバイ万博は「コネクティング・マインド、クリエイティング・ザ・フューチャー(心をつなぎ、未来を創る)」がメインテーマで、会場内のすべての場所から「オポチュニティ(機会」「モビリティ(流動性)」「サステナビリティ(持続可能性)」を感じ取ってもらえる工夫が施されていました。出展している各パビリオンも斬新な最先端の建築技法で作られていたり、エネルギー効率を監視したりできるセンサーを導入するなどしてサステナブルの要素を最大限に取り入れているのが印象的で、ドバイ万博で見たのは世界に変化をもたらすイノベーションや未来でした。

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写真の左手に見える巨大なドームが「アル・ワスル・プラザ」と呼ばれる万博のメイン会場です。
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「アル・ワスル・プラザ」の内部は、最先端の技術を駆使した世界最大の360度プロジェクションスクリーンとなっていました。
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サウジアラビア館の建物は斜めに建てられており、前面はギネス記録にもなった世界最大のLEDミラースクリーンディスプレイでした。圧倒的な映像で来場者を惹きつけます。

ドバイ万博ではエミレーツ航空のパビリオンがあった

 ドバイ万博には192か国が参加し、毎日世界的なパフォーマーによる音楽、ダンス、芸術、トークショーなどのエンターテインメントプログラムが開催されていました。ただ、やはり小誌として注目したのは、ドバイ万博のプレミアパートナーであり、公式エアラインであったエミレーツ航空の「エミレーツ館」です。 
 エミレーツ館で体験できるのは未来の民間航空で、入館すると旅の体験を解き明かす「種」が手渡されます。この「種」を持ちながら2フロアにわたる展示をめぐり、科学技術がこの先50年の空の旅に果たす役割を再認識していくのです。ホログラムを使って揚力、推力、重力、抗力の物理的特性を説明したり、ロボットアームによる実験では、未来の航空機をより速く、軽く、そして強くするための技術を紹介していたりと知的好奇心が刺激されます。またインタラクティブスクリーンで超音速、水素、ハイブリッド、電気など、未来のエンジンや燃料技術を探求する一連のアニメーション映像が流れ、これらが排出ガス、持続可能性、快適性、速度に与える影響をリアルな航空機エンジンを用いて紹介する展示や、自分だけの未来型航空機を設計し、実際に飛ばしてみることができる展示も興味深いものでした。
 最後は、入館時に渡された「種」に保存された各種展示での体験をもとに、ダイナミックな物語と3Dグラフィックが組み合わさった映画のようなプレゼンテーションが360度マルチセンサーに映し出されて終了です。
 さて大阪・関西万博、エミレーツ航空のようなエアラインのパビリオンはないようですが、ANAホールディングスは「空飛ぶクルマ」の運航事業者に選定されていますね。またANA、JALともに、現在万博特別塗装機を運航中です。両社ともに3月31日まで、万博の入場券が当たるキャンペーンもやっているので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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飛び立つ航空機の翼をイメージした曲線が特徴的なデザインとなっていた「エミレーツ館」。
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入場すると渡された球状の「種」。この種を持って来場者は館内にあるアトラクションで知識や経験を収集し、最後にこれらを再生して振り返ります。
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エミレーツ館の内部。科学技術がこの先50年の空の旅に果たす役割をインタラクティブな展示や体験で楽しめました。
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インタラクティブなスクリーンでエンジンについて学ぶことができるアトラクション。
crew
訪れた当日、一番人気だったのは未来の航空機の内部や客室を体験できるアトラクションで、インタラクティブなバーチャル・リアリティヘッドセットを装着して楽しみます。エミレーツ航空の現役キャビンクルーが付き、ガイドや解説をしてくれました。
早いもので来月13日から、大阪・関西万博が始まりますね。 せっかく開催するのですから、ぜひ盛り上がって、各方面にポジティブな影響を与えてくれればと願っていますが、 実は『航空旅行』では、前回のドバイ万博を取材していました。 記事は『航空旅行vol.40』に掲載していますが、ここからドバイ万博の部分を抜粋、再編集してお届けしましょう。

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