航空旅行

Bula! フィジーエアウェイズ〜フライトレポートpart1

2009年3月にエア・パシフィック航空が運航を休止して以来、途絶えていた日本とフィジーを結ぶ直行便。
しかし2018年7月、エア・パシフィック航空はフィジーエアウェイズに装いを改め、再び成田〜ナンディ線に就航した。
社名は変わっても「ブラ!」を地でいくホスピタリティ精神は健在。
シックスセンシズからの帰国便でも温かなサービスを体験することができた。

※この記事は 『航空旅行vol.29』(2019年4月発売)から抜粋・再編集したものです。

文:本城善也 Text by Yoshiya Honjo 写真:大橋マサヒロ Photo by Masahiro Ohashi
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ナンディ空港のA330
ナンディ国際空港で出発準備をするFJ351便。

「ブラ!」がくれる元気の源

 心身ともにリフレッシュできたシックスセンシズ フィジーでの滞在を終え、帰国する日がやってきた。来た時とは逆のルートを辿りながらナンディ国際空港に到着。シックスセンシズで過ごした日々を思い返すと名残惜しい気持ちでいっぱいになるが、これから搭乗するフィジーエアウェイズのビジネスクラスも今回の旅の楽しみの一つ。期待と寂寥感が交錯した気持ちのまま、ビジネスクラス専用の「プレミアチェックイン」へと歩を進める。

 長い行列とは無縁の「プレミアチェックイン」に近づいていくとカウンターにいたスタッフが「ブラ(Bula)!」と元気よく挨拶してきた。「ブラ!」とはフィジー語で「ようこそ!」とか「こんにちわ!」とか便利に使える言葉なのだが、本来の意味は生きているだけで幸せ、人生を謳歌していることへの純粋な喜びを表現したものらしい。フィジー人のフレンドリーさ、おおらかさは世界トップレベルだと思うが、まさに「ブラ!」とは彼らを象徴する言葉。フィジーを離れることでセンチメンタルになっている自分がちっぽけに思えてくる。そう、フィジーにはまた来ればいいのだ! フィジーエアウェイズでの旅は、元気をもらえる旅でもある。

快適なラウンジからA330へ

 チェックインしたあとはフィジーエアウェイズの「プレミアラウンジ」へと向かう。同ラウンジは2017年12月に全面リニューアルを完了し、887㎡の空間にクワイエットゾーン、メディアルーム、ビジネスセンター、ベビーシッターもいるキッズエリア、シャワールームなど設備が充実。フィジーのローカルフードをはじめとした飲食メニューも豊富で、バーカウンターではオリジナルのモクテル(ノンアルコールカクテル)を楽しんだ。ちなみに「プレミアラウンジ」はエコノミークラス搭乗者でも有料で利用することができ、その場合の料金は一人99フィジードル(編集部注:2024年2月現在は135フィジードル)だ。

 搭乗時刻となり、ゲートへ。本日の成田行きはエアバスA330-200での運航のようだ。“ようだ”と書いたのは、時期などによって機材が変更されるからで、A330‐200の場合、ビジネスクラス24席、エコノミークラス249席で計273席の自社機と、ビジネスクラス18席、エコノミークラス236席で計254席の他社からのリース機の2種類がある。またA330‐200よりも少し大型のエアバスA330‐300(ビジネスクラス24席、エコノミークラス289席)が投入される可能性もないわけではない。どれに当たるかは搭乗日までのお楽しみとなるが、それぞれに装備されているシートのスペックに大きな差はないので、いずれも同じように過ごすことができる。ちなみに取材便となったのはA330‐200のリース機であった。

 機内に足を踏み入れると、濃紺のビジネスクラスシートが2‐2‐2の横6席で並んでいた。昨今、多くのエアラインが採用している高いパーティションに覆われたスタッガードやヘリンボーン型の複雑なシートと比べると極めてオーソドックスなスタイルに見えるが、フルフラットシートのため前後の間隔は広くとられており、天井の開放感も相まって空間の使い方が贅沢な印象を受ける。

 ウェルカムドリンクを楽しんでいると13時10分ドアクローズ。成田行きFJ351便の定刻は13時25分なので、15分早い出発だ。小さなナンディ空港は滑走路までのタキシングも短い。13時30分には離陸した。

2009年3月にエア・パシフィック航空が運航を休止して以来、途絶えていた日本とフィジーを結ぶ直行便。 しかし2018年7月、エア・パシフィック航空はフィジーエアウェイズに装いを改め、再び成田〜ナンディ線に就航した。 社名は変わっても「ブラ!」を地でいくホスピタリティ精神は健在。 シックスセンシズからの帰国便でも温かなサービスを体験することができた。 ※この記事は 『航空旅行vol.29』(2019年4月発売)から抜粋・再編集したものです。

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