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ANA、地域をつなぐ「ANA ふるさとJET」就航。万博塗装に込められた想いを引き継ぐ
ANAと日本各地、旅客をつなぐ「ANA ふるさとJET」が就航した。全国各地へ運航されるボーイング737-800に47都道府県の県花をあしらった特別塗装機で、ANAあきんどが展開する地域創生の新プロジェクトを象徴。「EXPO2025 ANA JET」をリデザインした機体で、万博から地域創生へと、想いを新たに全国を駆け巡る。
目次
万博塗装を継承したデザイン。47都道府県の県花をちりばめ、地域の魅力を発信
ANAグループは12月8日、日本全国の地域と旅客をつなぐ新たな地域創生施策「ANA つなぐふるさとプロジェクト」を発表し、その象徴となる特別塗装機「ANA ふるさとJET」を披露した。
機体はボーイング737-800(登録記号JA58AN)で、以前は万博特別デザイン機「EXPO2025 ANA JET」として運航されていた。万博のサブテーマである「Connecting Lives(いのちをつなぐ)」の理念を継承し、一部のデザインを引き継ぎながら「ANA ふるさとJET」へと生まれ変わった。
EXPO2025 ANA JETから受け継いだ青い流線形のラインの上に、ANAが全国知事会ホームページの情報をもとに制作した47都道府県の県花が細やかに描かれている。日本各地の文化や自然の多様性を機体全体で表現し、県花を通じて「ふるさと」を身近に感じてもらえるデザインとなった。
12月8日のANA295便でデビュー。初便搭乗者には記念品の配付も
ANA ふるさとJETの初便は、12月8日の羽田発鳥取行きANA295便。出発地である羽田空港第2ターミナルでは記念式典が行なわれた。ANAホールディングス株式会社 上席執行役員 グループ地域創生統括の原 雄三氏は、「空のインフラを担う企業として、地域とお客様をつなぎ、旅を通じて地域の未来づくりに貢献することがANAの新たな使命である」と述べ、今回の特別塗装機がその象徴であると強調した。
初便が出発する53番ゲートでは、搭乗開始前のセレモニーで特別塗装機の愛称「ANA ふるさとJET」が発表される演出も行われ、乗客一人ひとりに記念品が贈呈された。
乗客148名(うち幼児2名)を乗せたANA295便はほぼ定刻にブロックアウトし、13時46分にC滑走路(RWY16L)を離陸した。鳥取空港には14時53分に到着し、スポットインの際には消防車による放水アーチで迎えられた。
2026年以降は機内サービスも“ふるさと”仕様に。機体デザインを紙コップやエプロンに採用
ANA ふるさとJETの機内では来年以降、機体デザインをあしらった紙コップやポストカード、フォトフレーム、アクリルスタンドなどが提供される予定で、客室乗務員のエプロンにも同デザインが採用される。この日は一足早く紙コップが展示された。デザインは、2025年4月に実施された能登空港への支援チャーターにちなんで、能登と関西の子どもたちが共同制作したものだ。
またANAは今後も自治体との連携を深め、地域食材を使った機内サービスや地元文化を紹介する機内コンテンツ、地域の祭やイベントとのタイアップなど、多彩な施策を展開していく考えだ。本施策は実施期間を定めていないため、ANA ふるさとJETの運航期間についても現時点では未定となっている。
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