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ソニー α7 V登場! 飛行機撮影の新スタンダードへ、AIとスピードで“一瞬”を逃さない
ソニーが新たな“ベーシック”モデル「α7 V(ILCE-7M5)」を12月2日に発表。さっそく行なわれた体験会で、飛行機撮影などにも効くAF性能や高速連写を実機でチェックしてきた。上位機譲りの機能を軽快なボディに凝縮した注目モデルだ。
ベーシックの枠を超えた、動体撮影の新基準
2025年12月2日、ソニーはフルサイズミラーレスカメラ「α7 V(ILCE-7M5)」を発表した。“Redefine Basic(ベーシックを再定義する)”をコンセプトに掲げた本機は、従来の“入門機”という枠を大きく超え、上位機種に迫る性能を備えた新たなスタンダードモデルとして登場した。
搭載されるのは、新開発の有効約3,300万画素・部分積層型Exmor RS CMOSセンサーと、AIプロセッシングユニットを統合した最新の画像処理エンジン「BIONZ XR2」。この組み合わせにより、AF/AE追従で最大30コマ/秒のブラックアウトフリー連写を実現。さらに、シャッターボタンを全押しする最大1秒前から記録できる「プリ撮影」機能も新たに搭載され、動体撮影における“決定的瞬間”の捕捉力が飛躍的に向上している。
被写体認識AFは、人物・動物・鳥類に加え、飛行機・鉄道・自動車・昆虫にも対応。AIによる姿勢推定技術と組み合わせることで、複雑な動きにも高精度で追従する。また、航空機や鉄道といった高速かつ予測しづらい被写体に対しても、確実なピント合わせを可能にしている。
飛行機を“飛行機として”捉えるAF性能
α7 Vにおける飛行機認識AFは、従来の「機体の一部」ではなく、「胴体全体」を基準とした認識が可能となった点が大きな進化だ。これにより、背景が複雑な空港や逆光下といった厳しい条件下でも、AFが迷うことなく安定した追従性能を発揮する。
さらに、被写体を自動で判別する「オート」モードを搭載しており、撮影者が個別に認識対象を設定する必要がない。状況に応じて最適なAF動作をカメラが自動で選択してくれるため、撮影者は構図やタイミングに集中できる。突発的な瞬間を狙う撮影においても、大きなアドバンテージとなるだろう。
操作性と画質も抜かりなし
α7 Vでは、撮影現場での操作性を高めるために、グリップ形状やボタン配置が再設計された。特に望遠レンズ装着時のホールド性が向上しており、長時間の撮影や流し撮りといったシーンでも安定した操作が可能だ。 液晶モニターには新たに4軸マルチアングル構造を採用。従来のバリアングル式に加え、チルト機構の要素も取り入れることで、縦位置やローアングルでの撮影時にも高い自由度と安定性を両立している。
画質面では、最大16ストップの広いダイナミックレンジを実現。逆光や夕景といった明暗差の大きなシーンでも、空と機体の階調を豊かに描写できる。また、AIによるホワイトバランス推定機能により、空港内の混在光環境でも自然な色再現が可能となり、撮影後の補正負担も軽減される。 これらの進化は、単なるスペックの向上にとどまらず、実際の撮影現場での信頼性と快適性を大きく底上げするものだ。
フラッグシップモデル「α1 II」から継承された技術を、軽量かつ扱いやすい筐体に凝縮したα7 Vは、プロフェッショナルの現場にも応え得る実力を備えた“新たなスタンダード機”として、確かな存在感を放つだろう。
発売情報とズームキット、店頭体験
「α7 V(ILCE-7M5)」は、2025年12月19日(金)にボディ単体で発売予定。予約受付は12月9日(火)10時より開始され、市場推定価格は税込約42万円前後とされている。
また、標準ズームレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II(SEL28702)」を同梱したズームレンズキット(ILCE-7M5M)も用意されており、こちらは2026年春以降の発売予定だ。価格は未定だが、初めてのフルサイズ機としても扱いやすく、汎用性の高い焦点域をカバーする構成となっている。
さらに、ソニーストア各店舗では12月5日(金)より先行展示がスタート。AF性能や操作感、連写レスポンスなどを実機でいち早く体感できる貴重な機会となっている。“ベーシック”の再定義を掲げる本機の真価を、ぜひ店頭で確かめてみてほしい。
写真:ソニーマーケティング(株)
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