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貨物社員がスキルを競う「JALCARGO グランドチャンピオンシップ」が開催! 幸せの黄色いコンテナも登場
普段私たちが利用する旅客機。その客室の下では、乗客が預けた荷物だけでなく、生鮮品や医薬品、精密機器など、さまざまな貨物が全国へと運ばれている。
こうした“空の物流”を各地の空港で支える、貨物現場の社員の知識と技量を競う「JALCARGOグランドチャンピオンシップ」が、羽田空港で開催された。全国の空港から選抜された選手社員の奮闘をレポートする。
目次
35人の精鋭貨物社員、そして激レア貨物コンテナが羽田空港に集結!
JALは2025年11月19日、日本全国の貨物現場社員がスキルを競う、「JALCARGOグランドチャンピオンシップ」を羽田空港で開催した。3回目となる今回は、会場を新たに羽田空港のJAL格納庫へ移し、北は旭川、南は石垣まで、全国の空港から35人の精鋭スタッフが集結。5人1組、7つのチームに分かれて競技に臨んだ。
競技内容は、貨物を基準通りに、且つできるだけ多くコンテナへ積み込む「CARGO SAFETY テトリス」や、日常業務を再現したデモンストレーションから危険行動を見抜く「リアル間違い探し」など全4種目。いずれも実際の運航現場さながらの設定で行なわれ、合計得点で順位を競った。
また今回競技で使用された貨物コンテナには、JALが乳がんの早期発見、早期治療の大切さを伝えるために制作した「空飛ぶピンクリボンコンテナ」が7台、そして約7,000台のJAL国内線貨物コンテナの中で1台しか存在しない「幸せの黄色いコンテナ」が登場。これらのレアなコンテナ集結にも注目したい。
生ウニが勝敗を左右!?「CARGO SAFETY テトリス」
最初に行なわれた競技は、大きさの異なる4種類の箱や高級海産物の生ウニ、そして取り扱いに注意を要する貨物を、1つのコンテナにいかに多く適切に積み込むかを競うもの。
貨物コンテナは航空機の胴体形状に合わせて、下側がすぼまった独特の構造をしており、計画的な積み込みが欠かせない。さらにドライアイスやリチウムイオン電池、各種可燃物質を含む貨物は、安全確保のために定められた「隔離基準」を厳守しなければならず、まさに“テトリス”のような頭脳戦だ。
また、今回審査側が重点項目とした海産物の「生ウニ」は、高価であるとともに、発泡スチロールからの水漏れのリスクもあり、この積載方法が勝敗を分けることになった。
現場の“危険”を見抜け!「リアル間違い探し」
2つ目の競技「リアル間違い探し」では、日常業務を再現したフォークリフト作業のデモンストレーションを観察し、チームごとに安全上問題のある行動を指摘していく。作業安全への深い理解と、細部まで見抜く観察力が試される競技だ。
正確さと知識が勝敗を左右!「貨物受託チェック」と「クイズ大会」
この後、会場は格納庫から室内へ移り、ドライアイスやリチウムイオン電池など、取り扱いに注意が求められる貨物の受託チェック競技が行なわれた。
選手社員は荷主から提出された申告書を確認し、物品の数量やラベルの貼付状況を点検。引き受けの可否を判断したうえで、受託する貨物について機長に提出する書類を作成する。これらの正確さが採点対象となった。
大会の締めくくりには、業務知識を問うクイズ大会がチーム対抗で実施され、会場は大いに盛り上がった。
優勝を飾ったのは、女満別・函館・釧路・羽田・山口宇部のDチーム!
見事優勝を飾ったのは、女満別空港の相馬さん、函館空港の佐藤さん、釧路空港の小杉さん、山口宇部空港の讃岐さん、羽田空港の林さんからなるDチーム。冒頭の「CARGO SAFETY テトリス」と「貨物受託チェック」で高得点を出したことが優勝に繋がった。
今回の大会では、日々の運航を静かに支える貨物現場社員たちの知識と技量が存分に発揮されていた。縁の下の力持ちとして、安全かつ正確に貨物を扱う彼らの努力こそ、私たちの安全な空の旅を支えている。