連載

太平洋に面した高台に現れる新旧滑走路 南紀白浜空港

【連載】ニッポンの空港

文:チャーリィ古庄
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風光明媚な白浜の湾を背景に到着したジェイエアのE190を空港公園から望む。
風光明媚な白浜の湾を背景に到着したジェイエアのE190を空港公園から望む。

リゾート地、白浜への玄関口

 和歌山県の観光地、白浜に面した空港で2019年、「南紀白浜エアポート」へ民営化された。空港北側にはパンダが人気のアドベンチャーワールドがあり、ターミナルビルからもこの遊園地を望める。空港は和歌山県の海側の中央に位置するが、和歌山市は大阪府と隣接し関西空港に近いため、利用者数が多いとは言えない。
 この空港は山の谷間に滑走路を造ったような立地で、滑走路の端には高台があり、到着機が海を背景に進入したり、南側から山を背景に着陸したりするドラマチックなシーンが展開される。また南東には丘をはさんで1,200mの旧滑走路も健在だが、眺望できる場所がないのが残念なところ。現在の滑走路は2,000mだ。
 路線はJALの羽田空港便のみで、機材は737やエンブラエル機が就航する。ターミナルビルの屋上には展望デッキがあるが、フェンスが高く撮影用のレンズ穴も小さいため、撮影目的なら南側にある空港公園から狙った方が楽しめるだろう。

南紀白浜空港 DATA

南紀白浜空港 DATASHM/RJBD

標高:89.4m
面積:74ha
運用時間:8:30-20:00
滑走路:RWY15/33(2,000×45m)
着陸回数:2018年度 2千4百回(国内) 2019年度 2千4百回(国内) 2020年度 1千8百回(国内)
乗降客数:2018年度16万1千人(国内16万千人) 2019年度 17万7千人(国内17万7千人) 2020年度 8万5千人(国内8万5千人)
貨物取扱量:2018年度 15t (国内) 2019年度 14t (国内) 2020年度 4t (国内)
就航会社:JAL
ターミナルビル、貨物施設の運用会社:株式会社南紀白浜エアポート
ターミナルビル設計会社:クリエート山本設計室
拠点を置く航空会社、航空機保有の組織:和歌山県警察航空隊、和歌山県防災航空隊
公的機関:国土交通省大阪航空局南紀白浜空港出張所、気象庁関西航空地方気象台南紀白浜空港出張所
所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町
供用開始日:1996年3月9日(旧空港の供用開始は1968年4月)
種別:地方管理空港
設置管理者:和歌山県

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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