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JAL 777-300ER初の退役機、JA734Jのカッコいいラストシーン
この夏も続々と新造機がデリバリーされたJAL国際線の新しいフラッグシップ機、エアバスA350-1000。つまりそれは、これまで20年にわたり旗艦を務めてきたボーイング777-300ERの減勢を意味する。2024年8月19日あらため8月20日、その最初のシップJA734Jがシドニー線で去る!
「ありがとうJA734J、おつかれさまでした」
実はこの記事を書く少し前から、JALは私たち航空を扱うメディアに向けて、ボーイング777-300ER初の退役機の運航予定を伝えていた。
その機体は2005年7月27日に登録されたJA734J(製造番号32433/ラインナンバー527)。最後の運航便として計画されていた8月19日夕刻には、羽田空港に到着する豪州シドニーからのJL52便を、駐機スポットに集まったJALグループの社員たちが、「ありがとうJA734J、おつかれさまでした」のメッセージとともに迎えて、これまでの活躍をねぎらった。
ここで掲載する伊藤久巳カメラマンの写真は、まさにそのときのカットだ。
最後は頼れるピンチヒッターとして
しかし、JA734Jの最終便は当初JALの皆さんも予想していなかったであろう急展開を見せて、その活躍がこの日をもって終わりを迎えることはなかったのである。
というのも、まさにこの当日になって機材繰りにおけるイレギュラーが発生したことで、JA734Jはこのあと同じ羽田=シドニー線(JL51便/JL52便)に再投入されることが決定。もう一度、JAL機として飛ぶ役目が与えられたのだ。
折りしも8月のこの時期。夏休みをオーストラリアで過ごす、あるいは過ごしたという乗客たちの笑顔で賑わうであろうタイミングであった。
最後は頼れるピンチヒッターとして、JALでの日々に幕を下ろすことになったJA734J。JALフリートのヒーローであった777-300ERとして、これほどカッコいい締めくくりはないと思う。
明日8月20日もまた、伊藤久巳カメラマンには羽田空港のエプロンで正真正銘のJA734J最終便の到着を待ち構えてもらうとしよう。
777-200ERのように、ファンとの惜別の機会にも期待したい
JALの777といえば、昨年は一足先に完全退役した777-200ERの動向がファンの界隈を賑わせたことは記憶に新しい。5月にはJA701Jの、12月にはJA703Jの売却フェリーフライトに同乗し、“飛行機の墓場”として知られるヴィクタービル飛行場でのローパスまで体験してしまおうというスペシャルなツアーが組まれて話題になった。そのほかにも、下地島チャーター、中部や羽田でのファンイベントなど、777-200ERは多くのファンとの素敵な思い出を紡いで、日本から去っていった。
これらは777運航乗員部の皆さんが企画したもので、当時の取材で話を聞いた関係者が「777-300ERの退役時にも何かできたら」と話していたことを思い出す。
ついに始まった777-300ERの退役、どこかでそうした機会が生まれることも期待したい。
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