曲技飛行の名手ユルギス・カイリスの得意技。離陸直後に機首を大きく引き起こして失速に入れ、そのままリカバリーする。失速=墜落ではない。
水平尾翼は主翼よりも遅く失速するように作られているので、主翼が失速したあとも後部を支えて機首を下げてくれる。
パイロットは初歩の段階から何度も失速の訓練をする。実用機では失速に入れないように操縦するのが第一だが、予期せぬ異常姿勢(ここでは機首が大きく上がって空しか見えていない)から安全にリカバリーするアップセット訓練も行なわれている。
多くのジェット旅客機は水平尾翼の後退角を主翼よりも大きくして、より高速でも衝撃波の影響を受けないようにしている。
TOP連載一覧失速防止のカギは水平尾翼~ 連載【月刊エアライン副読本】