多くの飛行機の主翼には、上反角がついている。これによってパイロットが操作しなくても左右の傾きを戻そうとする。
主翼を胴体の上につけた高翼形式にも横安定をもたらす効果があるため、上反角をほとんどつけていないものが多い。
高翼機であるセスナ172の上反角は低翼機であるA36ボナンザの上反角よりも小さいが、これでも横安定は十分だ。
主翼全体ではなく外翼のみに上反角をつけている。同じような構成は、航空自衛隊で使われていたF-4戦闘機でも見られた。
ジェット機の主翼には横安定をもたらす後退角がついていることが多いため、上反角は直線翼のプロペラ機よりも小さい。
横安定をもたらす高翼配置と後退角を組み合わせた機体では、横安定が過大にならないよう下反角をつける場合が多い。
高い運動性を持つ曲技専用機のエクストラ300は上反角をゼロとしたうえで、翼型にも対称翼を採用している。
戦闘機でも過度な安定性は運動性を低下させることになる。高翼配置の後退角を持つF-15の主翼は1度の下反角となっている。
TOP連載一覧上反角があれば、姿勢が崩れても元に戻る ~ 連載【月刊エアライン副読本】