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空港コードをデザインしたダイソーのジュートバッグを買ってみました

【連載】ある日のヒコ活
 月刊エアライン作りに携わる面々の日常。もちろん取材の場以外でも、航空業界、飛行機、空港に関する情報に触れています。ここでは、誌面作りに活かされそうな真面目なことから、3日経てば忘れてしまいそうな雑談レベルのネタまで、いろいろな話題を不定期にお届けします。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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A6カラージュート
2023年5月に広島で開かれたG7参加国の主要空港をラインナップ。空港コード(3レター/4レター)のほか、経度/緯度、面積、標高がデザインされています。

 100円ショップ・ダイソーでおなじみの大創産業。2021年からは、ちょっと高級な商品を展開する「Standard Products by DAISO」という業態も展開しています。そんなStandard Productsから、空港をモチーフにした商品が登場したので買ってみました。筆者は東京・渋谷にあるマークシティのStandard Productsで購入。1個330円でした。

 このモチーフとなっている空港は、2023年に広島で開かれたG7(先進国首脳会議)の参加国。サミットの際に広島空港に飛来した外航機については、本誌2023年8月号でもたっぷり紹介していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

英仏2か国。パリのシャルル・ド・ゴール空港(CDG/LFPG)とロンドンのヒースロー空港(LHR/EGLL)。

 G7にはEUや招待国を除き、日本、イタリア、カナダ、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツが参加しましたが、商品は日本を除く6か国を網羅。イタリア・ローマのフィウミチーノ空港(FCO/LHRF)、カナダ・トロントのトロント・ピアソン国際空港(YYZ/CYYZ)、フランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港(CDG/LFPG)、アメリカ・アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(ATL/KATL)、イギリス・ロンドンのヒースロー空港(LHR/EGLL)、ドイツ・フランクフルトのフランクフルト空港(FRA/EDDF)の空港コードや緯度/経度、面積、標高デザインされています。

 バッグ自体はジュート(黄麻)と呼ばれる麻の一種を使った天然素材のもので、本体は堅めで自立でき、持ち手もかなりしっかりしています。サイズは商品名のとおりA6程度で、持ち手を含めて35×21×13cm(H×W×D)。普段使いには少し小さめですが、近所のコンビニにちょっとした買い物に行くときのエコバッグとして使ったり、通気性がよく自立できるので文房具やコスメなどの収納バッグにしたりと、自宅やオフィスに置いてさっと取り出すような使い方にはピッタリだと思います。

 といっても、はっきり言ってジャケ買いなので、利用方法は完全に後付け。気になるのはデザインばかりで、LHRの経度000度台の表示がかっこいいな、カナダやアメリカの4レターコードは分かりやすくて編集者に優しいな、LHRとCDGの経度差が2度ぐらいしかなくてFRAとFCOが4度近くも違うの? などなど、並べてみるといろいろな感想や発見があって楽しいです。そして、同時に疑問も。

こちらは独伊で並べてみました。フランクフルトのフランクフルト空港(FRA/EDDF)とローマのフィウミチーノ空港(FCO/LHRF)。
【疑問1】アメリカの空港はなぜアトランタが選ばれた?

 まずはアメリカでピックアップされている空港がアトランタだったことへの疑問です。首都ならワシントンD.C.、都市の認知度ならニューヨークや、太平洋路線のハブ空港でも日本人の訪問者も多い西海岸のサンフランシスコ、ロサンゼルスなどが真っ先に浮かびます。

 一つ予想したのは、ATL=アトランタは文字から都市名を連想しやすいということ。東海岸の大空港、例えばワシントン・ダレス国際空港のIAD、ニューヨーク・ジョン・F・ケネディ空港のJFKなどは空港コードから都市名を連想しにくいので、航空ファン向けに特化しているわけではない本商品には合わないかも知れません。一方で、西海岸はSFO、LAXあたりの空港は都市名を連想でき、日本人に馴染みもありそうかな、と考えてしまいます。

 考えていても永遠に推測の域を出ないので、大創産業さんに直接問い合わせてみました。結果、「ハーツフィールド空港は世界最大級のハブ空港であり、2000年より発着数及び利用者数において世界中で一番」が理由とのこと。分かりやすい、馴染みがあるといった主観的なことではなく、客観的なデータから選定されていたのですね。納得です。

そして北米2か国。アメリカ・アトランタのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(ATL/KATL)と、カナダ・トロントのトロント・ピアソン国際空港(YYZ/CYYZ)です。
【疑問2】なぜ日本がないのでしょうか?

 もう一つの疑問は日本がないこと。こちらも大創産業さんに質問しており、答えは「海外旅行をコンセプトとした商品」であることが理由でした。

 ちなみに、こちらも筆者の予想を明かしておくと、大創産業が広島県東広島市に本社を置く企業、つまりサミットのホスト県にある企業ということで、「ホストは一歩下がって、来県した国々をモチーフに」という商品展開なのではないか、と考えていました。見事に不正解でしたが、サミットが広島で開催されたからこそ生まれた商品だと勝手に信じています。

(左)タグを見ると、商品名としては3レターコードで管理されていることが分かります。ちなみにインド製。(右)天然素材ということもあってか、昔見た麻製品という感じで、ちょっと懐かしさを覚えました。

 空港コード、とりわけIATAの3レターをモチーフにした商品を見る機会が本当に増えましたが、ダイソー系列という“普通のお店”でも商品として成立するほどに浸透していることには驚きを禁じ得ません。こちらを購入できるStandard Productsはダイソーほど店舗数は多くありませんが、下記リンク先でショップ検索が可能ですので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

【連載】ある日のヒコ活  月刊エアライン作りに携わる面々の日常。もちろん取材の場以外でも、航空業界、飛行機、空港に関する情報に触れています。ここでは、誌面作りに活かされそうな真面目なことから、3日経てば忘れてしまいそうな雑談レベルのネタまで、いろいろな話題を不定期にお届けします。

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