X Facebook LINE
アジアにおけるグローバルハブ機能が置かれている香港国際空港に並ぶDHLの翼たち。2030年時点でのSAF使用比率の目標値は30%を掲げ、業界目標の10%を大きく上回る。
鮮やかなDHLカラーの機体をバックに、2025年5月23日に中部国際空港で挙行された『セントレア国産SAF供給開始記念セレモニー』。これにより、SAFを搭載した日本初の定期航空貨物輸送がスタートした。
中部国際空港での国産SAF運用開始に先立つ2025年1月28日、DHLジャパンのトニー カーン代表取締役社長とコスモ石油マーケティングの森山幸二 代表取締役社長(当時)が年間720万リットルの調達契約を締結した。
Photo:AIRLINE
日本では成田、関西、そして中部の3空港に乗り入れるDHLのフライト。世界220以上の国と地域でサービスを提供しており、日本と世界を国際物流でつなぐ。写真は中部国際空港にて。
最近その名を見聞きする機会が増えたSAFだが、大きなポイントとして従来の給油インフラを変えることなく運用可能であるという点がある。空港の燃料タンクや地下配管(ハイドラントシステム)、サービサーと呼ばれる車両も従来の航空燃料と変わらない。
2025年8月13日、DHL ExpressとキャセイグループがSAFのパートナーシップ契約を締結。エアホンコンが成田、仁川、シンガポールの3空港発のフライトで使用する約310万リットルのSAFをキャセイグループが供給する内容だ。
Photo:DHL
かつてのA300-600Fが退役し、A330Fへと機材を統一したエアホンコン。 DHL Expressとキャセイグループのパートナーシップにより、成田空港発の同社便にもSAFが供給されることとなった。
Photo:Charlie FURUSHO
2025年7月には、シンガポールに製油所を置くSAF生産大手・Neste社との契約に基づき、1年間にわたりチャンギ空港発のDHL便に対し、約950万リットルのSAFが供給される。
Photo:DHL
DHLジャパンでは、DHLアカウントを保有する全ての顧客を対象に、温室効果ガス排出量を見える化した『排出量レポート』を無料で提供している。ここでは顧客ごとの出荷データが可視化され、年間排出量や貨物ごとの排出量、仕向国別の排出量といった項目ごとに、排出量データを詳細に確認することができる。
DHLジャパンの東京ゲートウェイでコンテナに搭載される国際航空貨物。法人顧客の間では小売り(越境EC)、製造、消費財、アパレルなど様々な業界で『GoGreen Plus』の利用が着実に広がっており、その商品化当初は、とりわけ環境意識の高い欧州企業に商品を納入するアパレル業界から利用が拡大していったという。
Photo:DHL
世界的に生産が拡大しているSAFだが、その供給量はまだ十分とは言えず全ての空港で調達できるわけではない。しかし、『GoGreen Plus』ではSAFの供給が受けられない出発地からの利用であっても、顧客はDHLが調達したSAFの環境特性を享受できる仕組みが構築されている。