業務中のコミュニケーションも大切。すでにある情報を共有することで、より効率よく仕事を進めていくだけでなく、少しでも気になった部分を報告しやすい環境づくりにもつながっていく。
ノーズ・ランディング・ギア部分を確認。ギアを格納する部屋の中や、ギアを動かすためのハイドロ(作動油)が入っているチューブやライト部分のコンポーネントなどを照らしてチェック。
ランディングギアにはショックストラットと呼ばれる部分に衝撃吸収のための作動油があるため、その漏れがないかも確認。そもそもの長さが大丈夫かと同時にタイヤの損傷具合もくまなく目視と触手で点検する。
続いてはエンジンの点検。ファンブレードの正面に立ち、損傷の有無を確認。またエンジン下からの燃料漏れがないかもチェック。さらに後方の排気側から前方向へも確認。推進力を生むために斜めにブレードが取り付けられており、かなり入り組んでいる。そのためライトで照らしながらの作業となる。
そして翼の点検作業へ。パネル全般から油圧で動かす際に必要な作動油が漏れていないか、翼部分の燃料タンクほか隅々まで目を光らせる。
主翼下のメイン・ランディング・ギアを確認中。同ランディング・ギアの格納庫メイン・ホイール・ウェルが田平さんイチオシの場所だ。
機体はかならず1周ぐるっと回って確認。胴体に凹みや損傷がないか。乗務員から基本報告が来るがバードストライクがないかなども。またアンテナへのダメージの有無も確認する。
ソラシドエアとともにAIRDOの機体も整備の対象だ。2名体制の場合は、一人がコクピット、もう一方がキャビンを担当するなど、時短が可能に。
コクピットに入るのは朝のプリフライトチェック(運航前点検)と夜間作業の際。基本的に不具合がない限り便間のライン整備では入らないことが多いとのこと。なお一等航空運航整備士でも運航前点検業務は可能だ。
旅客機が飛び立つ許可が出せる「確認整備士(社内資格)」を取得すると貸与されるキャップ。月桂樹の葉が金色の糸で刺繍されている。これをヘルメットの下に着用して、資格取得後は業務を行なう。