メイン会場。ボーイング767-200のまわりに並ぶテーブル。
デルタ・フライト・ミュージアム最大の展示物ボーイング747-400(N661US)。
DC-3を中心とした博物館、レガシーハンガーの機体たち。
マークス夫妻は、フロリダでアビエーション・ミュージアム・オンザ・ビーチというミュージアムを運営しており、会場ではモデルを並べていました。「JALのDC-7Cもありますし、1,000機ものモデルが並ぶミュージアムにもぜひ足を運んでください」と話します。モデルブランドDaronやSkymarksの創業者でもあります。
BUCHair(USA)のキバンク・ハータークさんは1/200、1/400スケールで1,000個もの旅客機モデルをニューヨークからトレーラーで運び込み、10テーブルを使って展示販売。1994年から30年以上このイベントに参加するベテランです。エアライン勤務経験を活かし、ボーイング707に関する書籍の著者でもあるなど、航空への造詣は深いものがあります。
スティーブ・ピノーさんは5,000枚もの航空写真スライドを持参。彼の父親が残した1950年代のコダクロームフィルムや、彼自身が撮影した1970年代の写真など、航空写真の歴史を物語る貴重なコレクションを見ることができました。スライド交換やスライドショーこそが初期の航空機写真マニアの恒例行事であり、昔のファン文化に触れることができました。
アイミー・ブラットさんは、元パンナムのスチュワーデス。1966年から91年まで在籍し、その後、デルタ航空に移りました。彼女は、「パンナムはライフスタイルで、デルタはまさに仕事でした」と名言を残しています。パンナム時代を綴った著作も販売中です。
マット・バンスさんは1972年から1/50分以上にもなる大型スケールの紙製旅客機を展示し、多くの参加者を魅了していました。ヴィッカース・バイカウントやダグラスDC-7などの造形は、まるで芸術品。セミナー会場で彼が紹介していたFedExのボーイング727-100の3Dペーパーモデルは、筆者が1984年に購入したことがある思い出の品で、懐かしさで胸がいっぱいになりました。
アンディ・ルスケさんはタルマック・デザインというショップを持ち、1/400スケールの精巧な管制塔模型を80以上も展示。PCで設計し、3Dプリンターで製作された管制塔の細部にまでこだわった作り込みには、目を見張るばかりでした。希望があれば新たな空港のものも作成可能とのことで、お気に入りの空港を指定して部屋に飾るのもいいかもしれません。
デルタ・フライト・ミュージアムの出展はジュディ・ビーンさんが担当。機内カートやエンジンブレードが目玉商品として並んでいました。デルタ航空のパイロットが配るカードも販売されており、レアアイテムを求めて多くのファンが集まっていました。ミュージアムでは月1回の定例掘り出し市を行なっており、何が出てくるかわからない楽しさがあるとのことでした。
フライングタイガーライン・ヒストリカルソサイエティ(FTLHS)代表のジョン・ディクソンさんが、1945年の会社誕生から1991年にFedExに買収されるまでのフライングタイガーラインの歴史を熱く語ってくれました。日本にも就航していた航空貨物輸送のパイオニアとしての貴重な資料は、航空史家だけでなく貨物機ファンにはたまりません。アメリカでは多くのエアラインが経営破綻、合併していきましたが、いくつかの航空会社については往時の資料を残す非営利団体が存在するところに歴史を重んじる姿勢を感じます。
ツアーで訪問した、デルタ航空本社内にあるオペレーション コントロール センター(OCC)。
ツアーで訪問したアトランタ・エア・エクスチェンジにて部品取りや解体待ちの機体たち。
開催地となったデルタ航空の本拠地、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港では撮影も楽しみました。ルネッサンス・コンコースホテルから見えるボーイング767-400(N826MH)の離陸を260㎜相当の望遠レンズで。