特集/本誌より

アフリカから羽田に続々飛来! 「TICAD 9」のVIP機を総まとめ

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8月20日~22日に横浜で開催された「TICAD 9(アフリカ開発会議)」。およそ5年に一度のペースで日本で開催されるため、その際には羽田にアフリカ各国の特別機が集結するのが通例となっている。
2019年以来、約6年ぶりの日本開催となった今回も、例にもれずレアビジターが続々と飛来。初めて日本に飛来した機体も多く、羽田のトラフィックから目が離せない1週間となった。

エスワティニ王国政府
Airbus A340-313(3DC-SDF)

ムスワティ3世国王搭乗機。2001年製造。登録記号B-18802としてチャイナ エアラインにデリバリーされ、約15年間運航。成田や関西へもたびたび飛来した。2016年にスワジランド政府(2018年に国名をエスワティニへ変更)に移籍し、2019年には即位礼正殿の儀にともない日本へ初飛来。A340導入前はJASとJALで活躍したMD-87(登録記号3DC-SWZ/元JA8372)を保有しており、こちらも2013年の「TICAD 5」の際に日本へ飛来した実績がある。

南アフリカ共和国空軍
Boeing 737-7ED BBJ(ZS-RSA)

マタメラ・シリル・ラマポーザ大統領搭乗機。2001年製造。デリバリー以降、25年間にわたって南アフリカ空軍が要人輸送に使用している。日本への飛来実績は豊富で、2008年と2013年に羽田へ、2019年には羽田と関西に飛来している。BBJ 737 MAXやACJ320neoといった後継機の候補があるものの、現在のところ更新計画はないようだ。

チュニスエア
Airbus A320-251N(TS-IMB)

チュニジア共和国のサラ・ザアフラニ・ゼンズリー首相搭乗機。滞在中は成田にフェリーされて駐機し、離日前に再度羽田へとフェリーされた。普段からチュニスエアで運航されているA320neo(2クラス、ビジネス12席/エコノミー138席)をそのまま使用。ビジネスクラスは2-2配列のリクライニングシートで、VIP仕様ではない。

コムラックス・アルバ
Boeing 767-2DXER(P4-CLA)

ジンバブエ共和国のエマソン・ムナンガグワ大統領搭乗機。チャーター専門会社であるコムラックス・アルバの767-200ERを使用した。かつてはエア・ジンバブエの同型機がTICADの際に飛来した実績があるが、同社の機材は近年、短距離運航が中心となっており、長距離の要人輸送には不向きと判断されたため、チャーター会社の機体を使用するに至ったとみられる。

グローバル・ジェット・ルクセンブルク
Airbus A318-112CJ Elite(LX-LTI)

Photo: @_@

トーゴ共和国のフォール・エソジンナ・ニャシンベ閣僚評議会議長搭乗機。機体はグローバル・ジェット・ルクセンブルクのACJ318を使用した。2019年の「TICAD 7」でも同社のACJ319(登録記号LX-GVV、現在は他社に移籍)を使用した実績があり、前回を踏襲する形となった。

ビスタジェット
Bombardier Global 7500(9H-VIC)

モザンビーク共和国のダニエル・フランシスコ・チャポ大統領搭乗機。こちらもチャーター会社の機体を使用した。プライベートジェット運航大手のビスタジェットが運航するGlobal 7500で、普段から日本へもしばしば飛来している。外観だけを見ると一般的なビジネスジェットと変わらず、一見して要人輸送とは気づきにくいが、今回はモザンビークの首都マプトから香港を経由して羽田のVNスポットに到着。その後はいったん上海虹橋空港へフェリーされ、再び羽田に戻って大統領を乗せ、マプトへの帰路についた。

 ここまで「TICAD 9」関連の飛来機を計11機紹介したが、これ以外にもエチオピア航空カラーの737-800 BBJが飛来したほか、定期便で来日した首脳も多かったと見られる。

 かつてはボーイング727やイリューシンIL-62、ツポレフTu-154といった古参機を保有する国が多かったアフリカ諸国だが、2013年の「TICAD 5」を最後にその姿は見られなくなり、737 BBJやACJといった近代的な双発ビジネスジェットへと機材更新が進んだことがうかがえる。

 それでも日本には滅多に飛来しないレア機の数々が、大きな注目を集めたことは間違いない。ワイドボディの政府専用機で飛来したナイジェリアやエスワティニ、今回が日本初飛来となったモーリタニアなどは、特に飛行機ファンの関心を集めた。

 今回飛来した機体のなかには、次に日本で見られるのは、再び日本でTICADが開催されるであろう5年以上先になるか、あるいは二度と見られないものもあるかもしれない。数年後に今回の飛来機を振り返った時、その貴重さを改めて実感することになるだろう。

▼P.S.
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8月20~22日に横浜で開催された「TICAD 9(アフリカ開発会議)」。およそ5年に一度のペースで日本で開催されるため、その際には羽田にアフリカ各国の特別機が集結するのが通例となっている。 2019年以来、約6年ぶりの日本開催となった今回も、例にもれずレアビジターが続々と飛来。初めて日本に飛来した機体も多く、羽田のトラフィックから目が離せない1週間となった。

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