特集/本誌より

技術実証機によるテスト飛行で超音速飛行達成~大手航空会社も熱視線を送る超音速機復活への期待

月刊エアライン2025年5月号(3月28日発売)でお届けする「特集『いま世界の空を飛ぶ、最新の旅客機オールガイド』」のスピンオフ企画。コンコルド、Tu-144の再来が実現するか気になる、超音速旅客機の現在地です。

文:芳岡 淳
X Facebook LINE
超音速旅客機としてBoom Technologyが開発を進める「Overture」。(Image:Boom Supersonic)

 コンコルドやTu-144以来、旅客機の世界で超音速機は誕生していない。経済性や環境問題を理由に需要が高まらない状況が続いてはいるものの、現在までその再来の夢は途絶えておらず、これまでも幾度となく超音速旅客機開発の話題が出てきた。が、なかなか現実的なプロジェクトには至らなかった。

独ジンスハイム自動車技術博物館で展示されるコンコルド(写真手前)とTu-144(写真奥)。この2機以来、超音速旅客機は誕生していない。(Photo:AIRLINE)

 しかし近年、期待感のあるプロジェクトとして名を馳せているのが「ブーム・スーパーソニック」の存在だ。2014年にアメリカ・デンバーで設立された同社は超音速旅客機に特化した航空機メーカーで、その実用化に向けた開発や試験が進められている。

 同社が計画している65~88人乗りのOverture(オーバーチュア)は、いまだ初飛行も行なわれていない状況だが、2017年12月にJALが同社に投資するとともに、20機の優先発注権を確保。2021年6月にユナイテッド航空が15機+オプション35機を、2022年8月にはアメリカン航空が20機+オプション40機を発注するなど、すでに大手航空会社からの受注が存在するほどのプロジェクトとなっている。

JALデザインのOverture。JALもかつてはコンコルド導入を決めたものの最終的には断念。鶴丸の旅客機が超音速で飛ぶ未来が再び見えてきた。(Image:Boom Supersonic)

 現在は、技術実証機である「XB-1」を使用したテストが繰り返されており、2025年1月28日に超音速飛行を実現。実用化に向けた明るいニュースが入ってきたところだ。Overture製造までの道のりは長いが、同社では2029年の運航開始を目指しており、超音速旅客機復活への期待がかかる。

今年1月に超音速でのテストフライトに成功した、Boom Supersonicの技術実証機「XB-1」。(Image:Boom Supersonic)
エアライン 2025年5月号

エアライン 2025年5月号(2025年3月28日発売)


特集
最新の旅客機オールガイド
いま世界の空を飛ぶ、全エアライナーの顔ぶれがこの一冊に

 世界のエアライン機材におけるメインストリームである、ボーイング、エアバス、エンブラエル、ATRの全モデルはもちろん、独自開発機が軌道に乗った中国COMAC、制裁により鳴りを潜めたロシア勢、その他いま世界を飛ぶ機種を網羅した一大ガイドブックをお届け。カタログ的な網羅性・資料性だけではない、月刊エアラインとしての多角的考察を交えながら、はばひろい旅客機ワールドを展開する。

Amazonで購入する

月刊エアライン2025年5月号(3月28日発売)でお届けする「特集『いま世界の空を飛ぶ、最新の旅客機オールガイド』」のスピンオフ企画。コンコルド、Tu-144の再来が実現するか気になる、超音速旅客機の現在地です。

関連キーワードもチェック!