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【Privilege Style Boeing 777-200ER(EC-MUA)】
スペインで主にウェットリース運航を専門とするエアライン、プリビレッジ・スタイルのボーイング777-200ER。リースすることを前提に、社名を入れないプライベートジェットのようなこのカラーリングが同社の通常塗装だ。これまでもLCCのノルウェーエアシャトル便などを運航した実績があるが、この時はスリナム航空のアムステルダム発パラマリボ行きのチャーター便に充当されていた。
【World2Fly Airbus A350-900(EC-NTB)】
カラーリングを見て「なんじゃこのA350は?」と思った機体。スペインの旅行会社であるイベロスター・グループ傘下の航空会社、ワールド2フライのタイトルだが、その下に小さく「Corendon」と書かれている。カリブ海などへのチャーター便運航を主とする前者が、トルコのホリデーエアラインであるコレンドン航空のオランダの子会社、コレンドン・ダッチ航空にリースしているものだ。この夏はアムステルダムから大西洋を渡り、カリブ海のキュラソー(オランダ領)へ毎日飛んでいる。
【Bulgaria Air Airbus A320(LZ-FBH)】
親会社だったトーマスクックの破綻に伴い、同グループ共通の塗装から、縞々模様が特徴的な新塗装へと変更が進むドイツのコンドル航空。だがこの機体は尾翼のみが縞々模様で、ボディには社名のみ。「LZ-FBH」の登録記号を調べるとブルガリア航空の機体だという事が分かる。同社は2022年よりコンドル航空の運航を受託している。
【Eurowings Airbus A330-300(OO-SFJ)】
夏に機体が不足するのは、LCCやホリデーエアラインだけではない。この機体はルフトハンザ・グループに属するユーロウイングスのカラーだが、登録記号はベルギー籍の「OO」。撮影地はブリュッセルだ。この日は同じルフトハンザ・グループに属し、ベルギーのフラッグキャリアであるブリュッセル航空の便として、ヨーロッパの人々の旅行先として人気のダカール(セネガル)行きのフライトに投入されていた。
【Privilege Style A321(EC-NLJ)】
冒頭で777-200ERを紹介したプリビレッジ・スタイルのA321。この機体は今年の夏、アムステルダムをベースにKLMオランダ航空便としてバーミンガムやマドリード線の定期便へ就航中。リゾート行きの便に機材が回されることで、逆に都市間のフライトにこうしてリース機が充当されるケースもある。KLMに乗ろうとして搭乗口でこの機体に巡り合ったら、飛行機好きであれば「どういう事?」と思うに違いないだろう。
【SmartLynx Malta A321(9H-SLC)】
人気の旅行先のひとつであるトルコの航空会社も、さまざまなリース機を駆使して需要に応える。写真の機体は登録記号がマルタ籍の「9H」である一方、タイトルはトルコ航空傘下のアナドルジェット(現・AJet)。2023年から同社にリースされているが、運航は機体を保有するスマートリンクス・マルタが担当している。
【Sunwing Airlines Boeing 737-800(C-GBZS)】
アムステルダム空港で撮影したカナダ籍の737-800。この機体は2016年にカナダのサンウイングにデリバリーされたが、2023年より夏はヨーロッパのTUIグループで飛び、冬はカナダに戻りサンウイングで飛ぶというパターンになっていて、今年の夏はTUIフライ・ネーデルランドの便で運航中。カラーはサンウイングをベースに、タイトルを消しただけの状態である。
【SmartWings Boeing 737-800(OK-TSO)】
ユーロウイングスのフルカラー機かと思いきや、ウイングレットのペイントがおかしい。ディープなスポッターならスマートウイングスのカラーだと分かるだろう。そもそもユーロウイングスは737を保有していないので、筆者レベルのマニアなら一瞬「新規導入したのか?」と想像してしまうところだが、これもリース機だ。同社は前述の通りワイドボディ機を他社へリースする一方、ナロウボディ機は反対に他社から借りている。この機体はUAEのフライドバイやカナダのエア・トランザットなどさまざまな会社に毎年リースされていて、ユーロウイングスでは今年4月から運航されている。
【Avion Express Malta Airbus A320(9H-MLR)】
こちらもユーロウイングスにリースされている機体だが、今度はホワイトボディに社名のみ。レジはマルタ籍の「9H」で、運航会社はアビオン・エクスプレス・マルタだ。同社は乗員込みで機体を短期リースするリトアニアの会社、アビオン・エクスプレスの子会社だ。
【Trade Air Airbus A320(9A-BTH)】
フライトレーダーを見てクロアチアのトレード・エアの便が来ると分かり撮影に行くと、ベースは同社のフルカラーだが、クロアチア航空のタイトルが大きく描かれている機体がやってきた。「Trade Air」の社名はドア横に小さく描かれているのみ。この便は名実ともにトレード・エア便だったが、機体は同じ国のクロアチア航空にリースされることもあるため、このようなデュアルタイトル(2社の社名)になっている。こういうハイブリッド塗装が撮れるとうれしい。
【Easyjet Europe Airbus A320(OE-IBS)】
リース機ではないが、経歴が面白いので紹介したい。登録記号の「OE(オーストリア籍)」から分かるように、イージージェットがイギリスのEU離脱に伴い設立したイージージェット・ヨーロッパの機体だが、オールホワイトのベースに前方のみ社名が入った中途半端な塗装だ。実はこの機体、元バニラエアとピーチのJA07VAで、2022年10月にJAナンバーを抹消、現在はヨーロッパで活躍中。こんな再会もできるのが中古機の魅力だ。