航空旅行

時空を超える旅へ!TWAホテルの魅力

現在発売中の『航空旅行 2025 NEW YEAR』では、ANAの翼に乗って、ニューヨークを旅しました。
宿泊したのはジョン・F・ケネディ空港内にあるTWAホテルです。
赤い尾翼のTWAはご存知ですか?
かつてハワードヒューズがオーナーだったこともある伝説のエアラインが、ここではまだ生きていました。

文:本城善也 Text by Yoshiya Honjo  写真:本城善也 Photos by Yoshiya Honjo
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TWArobby
TWAホテルの象徴ともいえるロビーは、訪れる人々を一瞬で1960年代へと引き込みます。エーロ・サーリネンの独創的なデザインは、流れるような曲線と大胆な建築美が特徴です。大きな窓の外には、ロッキード・コンステレーション”コニー”が見えます。

1960年代へのタイムトラベル

 ジェットブルー航空が使用するターミナル5の背後にあり、アメリカの著名な建築家であるエーロ・サーリネンが設計して1962年に誕生したTWAフライトセンターは、何よりもその外観が魅惑的です。翼を広げた鳥のような流線形のデザインは、訪れる人々に未来への夢を描かせたのは想像に難くありません。
 ターミナルビルとしての役割はTWAの終焉とともに2001年に終了しましたが、2019年5月15日にTWAホテルとして生まれ変わりました。TWAフライトセンターが現役だったころの雰囲気を損なわずに復元、再開発されたホテルは、館内に一歩足を踏み入れた瞬間から、1960年代へのタイムトラベルが始まります。ターミナルビルでもっとも印象的な場所である出発ロビーの“パタパタ”には、いまもTWA便が生きていました。
 また館内は、TWAの歴史を振り返ることができるミュージアムでもあり、貴重なアーカイブや興味深い展示が各所に散りばめられています。TWAホテルはその立地から空港ホテルとしても非常に便利ですが、航空ファンや往年の空の旅を懐かしみたい人にとっては旅の目的地にもなる場所だと思います。

outside
当時のままのTWAホテル外観。歴史の中に宿泊するような体験ができる場所です。
board
ソラリーボード、“パタパタ”にはTWAが生きていました。この写真は1960年代に撮影されたものではありません、いまです。
counter
航空券の受け渡しや預け手荷物の手続きが行われたチェックインカウンターは、ホテルのチェックインカウンターに。各所に貴重なアーカイブも展示されています。

屋上のプールと本物の“コニー”も見どころ

 TWAホテルには約500の客室があります。宿泊料金は部屋からの眺めやタイプによって異なりますが、やはりおすすめはランプエリアを見渡せる部屋です。窓越しにはJFKに集う色とりどりの翼が並び、もしヒコーキ撮影を趣味とされているのであれば、完璧な防音で快適な睡眠も取れるのですが、寝不足になるのは想像に難くありません。
 飛行機ウォッチングの観点では、屋上にあるプールも見逃せません。部屋からは窓越しになりますが、ここは屋外で、ジェット旅客機の音や匂いも感じることができます。プールにはバーが併設されていて、ここで一杯やりながら飛行機を眺めるというのも旅の思い出になります。
 また、実際にTWAが使用していたロッキード・コンステレーションを活用したカクテルラウンジも足を運びたい場所です。3枚の垂直尾翼を持ち、柔らかい曲線を描く胴体のコンステレーションもまた美しい飛行機で、もう飛ばないにしても本物の機内で過ごす時間は、レシプロ機が主力だった時代をリアルに彷彿とさせてくれます。
 ミシュランガイドではありませんが、TWAホテルの完璧な1960年代の世界観は、“泊まることを目的に旅する価値がある場所”です。ぜひ、現在発売中の『航空旅行 2025 NEW YEAR』でも記事をお楽しみください。

pool
屋上のプールからは、何も遮るものはなく、ランプエリアや滑走路を一望できます。なお、プールの利用は予約制で有料です。
A380
プールの隣にあるバーから見たランプエリアの眺め。取材時はちょうどエティハド航空の出発時刻で、目の前でエアバスA380のプッシュバックを見ることができました。
connie
“コニー”はバーとして営業。夕方16時にオープンし、予約なしで利用できます。コニーの実機に足を踏み入れることができるのは貴重な体験です。
現在発売中の『航空旅行 2025 NEW YEAR』では、ANAの翼に乗って、ニューヨークを旅しました。 宿泊したのはジョン・F・ケネディ空港内にあるTWAホテルです。 赤い尾翼のTWAはご存知ですか? かつてハワードヒューズがオーナーだったこともある伝説のエアラインが、ここではまだ生きていました。

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