航空旅行

”第6感”を刺激する とびきりのヴァカンス

日本からの直行便が復活し、再び行きやすくなった
世界有数のアイランドリゾート、フィジー。
ここフィジーに、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を越えた
“第6 感”刺激してくれるハイエンドリゾートがある。
それは「シックスセンシズ フィジー」だ。
美しい自然と海に囲まれた環境で過ごした日々は、
自分の中で長らく眠っていたパワーを引き出してくれる場所だった。
※この記事は 『航空旅行vol.29』(2019年4月発売)から抜粋・再編集したものです。

文:本城善也 Text by Yoshiya Honjo 写真:大橋マサヒロ Photo by Masahiro Ohashi
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SIX SENSES FIJI
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SIX SENSES FIJI MAP

ハワイと大差ない約8時間

 昨晩、成田を出発し、日付をまたいで翌朝到着したのはオーストラリアの東、メラネシアにある南太平洋の楽園、フィジー。大小333の島々で構成されるフィジーの中心となるのは面積1万429㎡のビチレブ島で、ここに首都のスバや成田からの直行便も発着するナンディ国際空港がある。

 ナンディ国際空港からは迎えの車に揺られ、30分走った先にある港、ポートデナラウマリーナを目指している。これから向かうのは2018年4月にオープンしたばかりの「シックスセンシズ フィジー」だ。シックスセンシズ フィジーは、ビチレブ島の西側に位置するママヌザ諸島のマロロ島にある自然派ラグジュアリーリゾートで、ビーチフロントプールヴィラ、ハイダウェイプールスイート、ハイダウェイプールヴィラなどのカテゴリーに分けられるプールヴィラ(24室)と、ファミリーやグループでの利用に最適な広々とした2ベッドルーム以上のレジデンス(10室)を擁する。

 港に到着したら、次は専用のスピードボートに乗り換える。フィジーは全体が熱帯雨林気候で、日中の気温は1年を通じて26〜30度と温暖だ。訪れたのは1月で時期としては雨季であったが、この日は快晴ですでに30度を超えている。ボートスタッフから手渡された冷たいおしぼりが気持ちよく、ターメリックや地元原産のワイルドジンジャーを加えた特製のナチュラルジンジャービールでのどを潤しながら、太陽の日差しを反射する海原と青い空を眺めていると徐々に南の島にいる実感がわいてきた。これから始まるリゾートでの日々にも期待に胸が膨らんでくる。

 港から走ること約40分、シックスセンシズ フィジーが見えてきた。速度を落とし、ゆっくりと係留場に近づいていくと、聴こえてきたのは笑顔溢れるスタッフたちによる陽気なウェルカムミュージック。成田から飛行機で約8時間、さらに車とボートを乗り継いで約1時間で到着した楽園は、ハワイに行くのと比べても大差ない。むしろ時差が3時間なので体が楽なのも嬉しい。

現代文明とエコロジーの両立

 2019年4月現在、世界21か国で15軒のリゾートを運営するシックスセンシズは、1995年にインド洋のモルディブで生まれた。各リゾートは、まさに隠れ家と形容するのがふさわしい美しい豊かな自然のなかに佇み、至福のスパトリートメントと腕が立つシェフが創造する料理が自慢だ。自然環境や地域社会と共生し、サスティナビリティ、ウェルネスへのコミットメントを理念に掲げているのも特長で、ここフィジーでも、リゾート内で使われる電力は太陽光発電によって賄われているほか、“ゼロ廃棄”という哲学を掲げ、リサイクル、リユース、リデュースの“3R”にも積極的に取り組んでいる。たとえばリゾート内で使われるストローは、自然に回帰できないプラスチックではなく、紙、竹材、レモングラスの茎などで作られていたり、ペットボトルを全面撤廃し、飲料水はシックスセンシズ専用のガラスボトルで提供したりしている。

 地場の素材や材料を積極的に使用していることも特長で、実際リゾート内ではレタス、ネギ、トマト、パッションフルーツ、ライム、カリフラワー、ハーブ類などさまざまな野菜や果物を栽培している。採れたての新鮮な食材だから料理の味が良くなることはもちろん、遠くから運んでくるときにかかる輸送時の負荷(トラックなどの乗り物が発生させる二酸化炭素など)も削減できるので、一石二鳥ともいうべきサスティナブルな循環が出来上がっている。電気、エアコン、水圧もバッチリなシャワーなど何の不自由もない現代文明が整いながらも、エコな生活スタイルを実践できているのがシックスセンシズなのだ。

 また、シックスセンシズ フィジー内では、世界で生息数が5000匹に満たないという絶滅危惧種のフィジーイグアナが生息している。リゾート内には17匹いることが確認されているが、専門家の調査によると最近2匹の赤ちゃんが生まれたという。このこともまたシックスセンシズ フィジーの環境の良さを示すトピックと言えるだろう。

“第6感”を発見する場所

 シックスセンシズ フィジーでの時間は、期待通りのゆったりとしたものだった。滞在中、天気にも恵まれ、毎日眩しい朝日で目覚め、美しい夕焼けを眺めることができた。宿泊したビーチフロントプールヴィラも快適で、エアコンにより完璧に温度がコントロールされた室内と、テラスにはプライベートプランジプールもあるので思うままに自由を満喫できる。

 ただ、シックスセンシズに来たのなら、ぜひとも“健康的な一日”にチャレンジしてみたい。“健康的な一日”とは、いかに東京での日々がその真逆にあるかということだが…シックスセンシズはウェルネスへのコミットメントを掲げている通り、訪れたゲストの健康を取り戻すためのプログラムや仕組みが多数用意されている。さまざまな種類があるヨガや体を思いっきり動かせるアクティビティがそれで、私も南太平洋の雄大な海原と、リゾート内を見渡せる高台「ツリートップ・ヨガ・パビリオン」で9時から始まるハタ(Hatha)ヨガに参加した。ゆっくりとした動きで、あまり難しくない姿勢のはずなのだが、これが意外ときつい。日頃の不摂生を反省するとともに、一方で終わったときにはたっぷり汗をかいていて頭の中からスッキリしていた。そして運動したあとの朝食は美味しい。先にも書いたとおり、シックスセンシズ フィジーの料理は自家栽培の素材を使い、添加物やグルテン、レクチン、ラクトース、糖分などを極力避けたヘルシーメニューが多い。食材それぞれの持つ栄養分が全身に染み渡っていくようで、食欲がどんどんわいてくる。内と外の両面から体を整えてくれるのだ。

 また体をきれいにするという意味では、やはりスパも外せない。シックスセンシズは、フィジーのようなリゾートは世界に15軒だが、シックスセンシズスパになると31か所で展開している。そう、自社のリゾート以外にもスパだけで16軒運営しているほど、その内容には定評があるのだ。熟練のセラピストが金属の鉢を優しく叩いて出す余韻の長い音色は、穏やかな精神世界への入口…。肉体に蓄積した疲労が、地域ごとの伝統療法も取り入れた施術によって癒されていくのが分かる。「ヨガ↓朝食↓シュノーケリング↓スパ」とはシックスセンシズで過ごしたある1日の流れだが、年齢を重ねるにつれ忘れてしまっていたパワーをどんどん引き出されていくような感じは、まさに“第6感(シックスセンス)”。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を越えた何かを見つけられるのがここ、シックスセンシズ フィジーなのだ。

日本からの直行便が復活し、再び行きやすくなった 世界有数のアイランドリゾート、フィジー。 ここフィジーに、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を越えた “第6 感”刺激してくれるハイエンドリゾートがある。 それは「シックスセンシズ フィジー」だ。 美しい自然と海に囲まれた環境で過ごした日々は、 自分の中で長らく眠っていたパワーを引き出してくれる場所だった。 ※この記事は 『航空旅行vol.29』(2019年4月発売)から抜粋・再編集したものです。

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