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アシアナ航空の747-400が退役。満席の乗客を乗せ台北→ソウル間でラストフライト
この1年間、日本各地の飛行機ファンを沸かせたアシアナ航空最後のボーイング747-400。2024年3月25日、ついにラストフライトを迎えた。
アシアナの発展に寄与したジャンボ、日本各地に飛来した最後の1年
2023年4月8日、成田へとやってきたカラフルな尾翼のジャンボジェット。アシアナ航空最後のボーイング747-400(登録記号HL7428)が2019年12月以来、約3年4か月ぶりに日本に帰ってきたのだ。あの日から1年、その後は関空や新千歳にも飛来し、日本全国の飛行機ファンを沸かせたこの機体。2024年3月25日、ついに最終運航を迎えることになった。
1988年に運航を開始したアシアナ航空にとって、747-400は初めての長距離路線用の機材。欧米路線への進出を可能にし、同社の発展に大きく貢献した。最後の1機となったHL7428は1998年に製造。翌1999年6月18日にデリバリーされ、同22日にソウル(金浦)=ニューヨーク(JFK)線(※当時、仁川国際空港は未開港)のOZ222便でデビュー。以来20年以上にわたりアシアナ航空のさまざまな路線で活躍し、デビューから最終日までの総飛行時間は96,986時間、総飛行距離は約8,800万キロに及んだ。
最終便は台北へ。ウォーターサルートや記念品配布も
日本路線では2月29日のソウル(仁川)=札幌(新千歳)線への投入をもって活躍を終え、以降はソウル(仁川)=台北(桃園)線で運航。最終日となった3月25日も、同路線のOZ711/712便に投入された。往路であるOZ711便が桃園国際空港のD6番スポットに入る際には、HL7428、そしてアシアナ航空の747-400の長年にわたる活躍に敬意を表し、消防車による放水アーチ(ウォーターサルート)が実施された。
最終便となった折り返しOZ712便は運航乗務員4名(機長と副操縦士が各2名ずつ)と客室乗務員15名で運航。398ある座席に対し、ほぼ満席となる397名(ほかに幼児2名)を乗せ、13時18分に台北を出発した。搭乗客には、HL7428のイラストとともに、スペックや経歴などが描かれたネックストラップが配布されている。そして、ほぼ定刻通りの16時36分、再びウォーターサルートに迎えられながら仁川国際空港の27番スポットに到着。約25年にわたる活躍に幕を下ろした。退役後のHL7428は仁川国際空港で解体される予定のため、同機が空を舞う姿はもう見られないだろう。
3月29日発売の月刊エアライン5月号では、このHL7428を徹底取材!
月刊エアラインでは去る2月8日、成田発の最終便となったOZ102便にも同乗。さらにその1週間前には、珍しく夜の便(OZ107/108便)に投入された同機で、キャビンを徹底取材した。小誌連載「BOEING747の最前線」を担当し、世界中でその勇姿を追いかけてきた芳岡淳カメラマンの特別感あふれるフライトルポ、そして747を愛してやまないアシアナ航空のキャプテンへのインタビューなどとともに、2024年3月29日発売の月刊エアライン5月号で8ページにわたりお届けする。もちろん、今回のラストフライトの詳細も、4月30日発売の6月号で詳報していく。
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