連載
アンテナの形状や大小は、電波の波長や用途によって異なる~ 連載【月刊エアライン副読本】

【連載】ヒコーキがもっと面白くなる! 月刊エアライン副読本
「空のエンターテインメント・メディア」として航空ファンの皆さまの好奇心と探究心にお応えすべく、航空の最前線、最先端技術などを伝えている月刊エアライン。そんな弊誌でテクニカルな記事や現場のレポートを中心に執筆に携わる阿施光南氏が、専門用語やテクノロジーをやさしく紹介するオリジナルコラムです。
アンテナは電波を受信したり送信する装置だ。基本的には電波の波長が長いほど、アンテナも長く(大きく)なる。旅客機には色々なサイズのアンテナがついているが、それだけさまざまな波長の電波が使われているということだ。
飛行場管制やターミナルレーダー管制、航空路管制で使われている電波は、民間機ではVHF(Very High Frequency)だ。直訳すると「とても高い周波数」となるが、日本では「とても短い波長」を意味する「超短波」というほうが多い。
電波の周波数と波長は反比例し、どちらかが決まればもう一方も決まる。つまり、「とても高い周波数」と「とても短い波長」は同じ意味と考えてもいいのだ。
VHF無線機のアンテナは長さ20~30cmのミニ尾翼のような形が一般的で、無線機と同じ数(3台または2台)が装備されている。ただしVHFは見通し距離しか届かないので、長い洋上飛行などではHF(High Frequency。短波)無線機の装備も義務づけられている。
HFは上空の電離層などで反射して、より遠くまで届くという性質があるが、VHFよりも波長が長いために長いアンテナが必要になる。特に目立つのはボーイング747クラシックの翼端にある棒状アンテナだが、他の旅客機の多くは垂直尾翼の前縁に埋め込んでいる。
VHFよりもアンテナが小さいのがUHF(Ultra High Frequency。極超短波)で、手のひらで隠せる程度の大きさだ。UHFを使う主な装置はDME(距離測定装置)やATCトランスポンダー、TCAS(空中衝突防止装置)で、DMEは地上局からの距離を測定する。
ATCトランスポンダーはレーダーからの質問電波に対して自分の情報を応答電波として返すもので、それによって管制用モニターには便名や位置、高度などが表示できる。またATCトランスポンダーは空港内で航空機の位置を示すマルチラテレーションでも使われている。
TCASはATCトランスポンダーの機能を拡張したものといえるが、これは航空機同士が質問電波と応答電波を出し合うことで互いの位置や接近状況を知り、衝突の危険があると判断したときには警告や回避指示を出すものだ。
さらに波長が短いSHF(Super High Frequency。マイクロ波)は、気象レーダーや電波高度計、衛星通信(洋上管制や機内インターネット通信など)で使われている。電波は波長が短い(周波数が高い)ほど多くの情報を送れるが、障害物に邪魔されやすいという性質もある。それを利用して気象レーダーは空中の雨粒などを感知するわけだ。
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