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成田空港のグラハンドハンドリング事業者が技術を発揮。4回目のランプハンドリング競技会
成田空港で働くランプハンドリングスタッフが技術を競う「第4回成田国際空港ランプハンドリング競技会」が開催された。成田国際空港(NAA)が主催し、成田空港内の事業者9社が参加。日頃の業務で培われたトーイングトラクターの運転技術を見せた。
成田国際空港(NAA)は12月4日、「第4回成田国際空港ランプハンドリング競技会」を開催した。成田空港内で働く事業者9社からグランドハンドリングスタッフ18名が集まり、技術を競った。
成田空港は今後の機能強化も見据えた人員強化の必要性に迫られており、国土交通省 成田空港事務所 成田国際空港長の中村文俊氏は「試算によると、いまの4万人を7万人に。3万人増やさないといけない。いかに空港の仕事が楽しく、魅力的かを世の中に発信して、ここで働きたいと思う人を増やしたい」と話し、YouTubeでも配信が行なわれた本競技会に期待を寄せた。
また、この日は成田航空ビジネス専門学校のほか、千葉敬愛学園、埼玉学園大学/川口短期大学らの学生約60名も招待され、グランドハンドリングの魅力を実感してもらう場ともなった。
今回の参加事業者は以下の9社。前年から3社増え、過去最多の参加企業数となっている。
参加企業(出場順、※印は前年不参加)
・日本空港サービス株式会社
・株式会社JALグランドサービス
・スイスポートジャパン株式会社(※)
・株式会社エーエスオー(※)
・国際空港上屋株式会社
・サンヨーエアサービス株式会社(※)
・ANA成田エアポートサービス株式会社
・西鉄エアサービス株式会社
・株式会社BLUE HANDLING
競技はコンテナを搭載したドーリーを牽引するトーイングトラクター(TT車)の運転技術を競うもの。狭あい区間の前進/後進、クランクの前進/後進、S字の後進の3トラックがあり、走破に要した時間が短いチームが優勝となる。ただし、障害物への接触やコンテナ内のペットボトル転倒などのペナルティに応じたタイム加算がある。最初の狭あい区間の車線は風船が置かれており、この動きが不規則であることも難しさに拍車をかける。素早く、一方で安全・正確に操作することが求められるレギュレーションとなっている。
また1チーム2名で、もう1名が障害物に接触しないよう監視しながら進む。ただし、1度はドライバーの交代が必要になる。今回の参加者は業務経験24年のベテランから、経験1年足らずという若手まで多様な顔ぶれ。どのトラックを、どちらのスタッフが担当するかも、各社の作戦になった。
競技の結果、準優勝に日本空港サービスの竹中寛人さん/石井瑠奈さんチーム。そして優勝はJALグランドサービスの新妻侑弥さん/坂元燦太さんチームが獲得した。実はJALグランドサービスは第2回、第3回も優勝しており、今回で三連覇を飾ることになった。
優勝したJALグランドサービスの坂元さんは「2人で作業を行なうので連携に力を入れていきたいと思って臨んだ。日々の作業もチームワークがすごく大切なので、それを発揮できた」と振り返った。また、新妻さんは「優勝はできたが、自分のところで少し時間を取ってしまったので悔しい部分もある」と、さらなる技術向上に意欲的だ。
最後に講評を述べた学校法人翔陽学園 成田航空ビジネス専門学校の山村 毅 校長は、「競技する姿は非常に美しいと思っている。学生に聞くと、飛行機の周りできちんと働く人たちの姿を見て、それに憧れて学校の門を叩いたという人がほとんど。日々の仕事のなかで、今日発揮されたような、美しさに昇華できるような作業をこれからも続けていただくことが、グラハン人材を引き寄せる元になるのだろうと思っている」と、高い技術を讃えるとともに、それをきっかけとした志望者増加への期待を語った。
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