特集/本誌より
アフリカから羽田に続々飛来! 「TICAD 9」のVIP機を総まとめ
8月20~22日に横浜で開催された「TICAD 9(アフリカ開発会議)」。およそ5年に一度のペースで日本で開催されるため、その際には羽田にアフリカ各国の特別機が集結するのが通例となっている。
2019年以来、約6年ぶりの日本開催となった今回も、例にもれずレアビジターが続々と飛来。初めて日本に飛来した機体も多く、羽田のトラフィックから目が離せない1週間となった。

2025年8月20~22日の期間、横浜で第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)が開催された。TICADは「Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)」の略で、その名の通りアフリカの発展をテーマとする国際会議である。1993年以来、日本政府が主導する形で、国連や国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催されてきた。
TICADには各国の首脳クラス(国王、大統領、首相など)が参加することとなっており、今年は33人の首脳クラスを含む49か国の代表、国際機関の代表などが出席した。これにともない、各国の政府専用機も開催地最寄りの国際空港である羽田に続々と飛来。来日は8月18~19日にかけて、離日は21~23日にかけて続いた。
今回飛来したTICAD関連のVIP機を、写真とともに振り返る。
ナイジェリア連邦共和国政府
Airbus A330-243(5N-FGA)

ユスフ・トゥガー外務大臣搭乗機。2009年製造。サウジアラビアのVIPチャーター運航会社Midroc Aviationで登録記号VP-CACとして運航されたのち、2024年8月からナイジェリア政府専用機として運用開始。当初はMidroc Aviation時代の塗装にタイトルと紋章を加えて飛行していたが、2025年7月に塗装を変更し、同国政府の737-700BBJと同一のデザインとなった。日本への飛来は今回が初めてである。
モーリタニア・イスラム共和国政府
Boeing 737-7BQ BBJ(5T-ONE)

モハメド・ウルド・シェイク・エル・ガズワニ大統領搭乗機。1999年製造。登録記号N79711としてサウジアラビアのDallah BBJにデリバリーされ約21年間運航。その後、レジをN237SC、P4-999と変えて移籍を繰り返し、2023年からモーリタニア政府専用機として運用されている。機首には国旗と「モーリタニア・イスラム共和国」のタイトル(ポートサイドはアラビア文字、スターボードサイドはアルファベット)が、尾翼には国章が描かれている。こちらも日本へは初飛来だ。
ソンエアー
Boeing 787-8 BBJ(2-DEER)

アンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領搭乗機。チャーター事業を展開する同国のソンエアーが運航。近年はこの機体が本務機、後述のGlobal Expressが随行機となるケースが多い。登録記号2-DEERは2014年製造で、かつては中国のVIPチャーター専門エアラインである金鹿航空(Deer Jet)に所属し、日本への飛来実績も多かった機体である。現在もレジは変わらず、塗装も当時の面影を残しつつ、L2ドア横にアンゴラ国旗が追加されている。2023年には同国政府のチャーター機として関西国際空港へ飛来している。
アンゴラ共和国政府
Bombardier Global Express(D2-ANH)

ジョアン・ロウレンソ大統領が搭乗する787 BBJの随行機として飛来。2004年製造。アメリカ、スイス、ポルトガルのオペレーターを経て2017年にアンゴラ政府へ移籍。以降は8年間にわたって所属しているが、運航先は主にアフリカやヨーロッパ域内で、日本をはじめとするアジア諸国への運航実績は確認されていない。なお同型機の登録記号D2-ANGは、2023年に2-DEERとともに関西国際空港へ飛来している。
セネガル共和国政府
Airbus A320-251N ACJ(6V-SEN)

バシル・ジョマイ・ファイ大統領搭乗機。2021年製造のACJ320neoで、先代のACJ319(登録記号6V-ONE)を置き換えた。同国政府専用機の日本飛来は2017年のACJ319以来で、ACJ320neoとなって以降は初である。
次のページ:
2019年の即位礼で飛来した、あの4発機もやってきた!
関連リンク