ポルトガルのレトロな建物探訪~旅のヒントBOOKより
こんにちは! 旅のヒントBOOK編集部です。
旅のヒントBOOKは主に現地在住者やその地のリピーターを著者に迎え、大切な友人を案内したいスポットを厳選してご紹介するガイドブックシリーズです。
現在、50を超える国と地域がラインナップしています。
さらに、このシリーズから派生した海外関連のさまざまな書籍を製作しています。
今回は、ポルトガルに長年通い続け、旅のヒントBOOKシリーズなどで著作がある矢野有貴見さんによる現地レポートをお届けします。

迷路のようなカウンターが特徴のお店
日本ではレトロ建築やレトロ喫茶など、レトロでノスタルジックな建物が人気です。ポルトガルにはジェロニモス修道院やトマールキリスト修道院などの歴史的建造物のみどころが多いですが、現代に建てられたレトロな建物にも魅力があります。
リスボンの市北部、メトロのサルダーニャ駅のすぐそばにある1966年に創業したガレト(Galeto)は人気のポルトガル料理レストランですが、インテリアも個性的。店のロゴがデザインされたネオンサインの輝く入口を入ると、クネクネと曲がるカウンター席が迷路のように続きます。このカウンターに他のお客と肩を並べて座ると、向かいのカウンターで美味しそうに料理を食べるお客たちの顔や、カウンターの間をてきぱきと動き回るウェイターたちの様子がよく見え、店内の活気を感じます。
店のインテリアの設計をした建築家のねらいもそこにあったようで、ひとりで席に座っても寂しさを感じさせません。カウンターにはメニューやケチャップなどがセットされたスタンドがあったり、裏側が機能的に設えられていたりなど、そうした細部も面白く、料理を待つ時間も楽しく過ごせます。


レストランもある5階建ての立体駐車場
ポルトガル第二の都市、ポルトのパッソス・マヌエル通りにあるガラージェン・パッソス・マヌエル(Garagem Passos Manuel)は、1939年に竣工したアール・デコ様式の立体駐車場です。時計塔が目を引く5階建ての建物で、正面の滝が流れ落ちるような縦のラインの装飾が印象的です。また、正面にはロードマップが描かれたステンドグラスがあり、駐車場らしいデザインです。
ひと口に駐車場と言っても、当時それは時代の先端をいく複合施設で、1階には給油場や車の整備場のほかに、現在も営業を続ける理髪店や、バーやタバコ屋、中古車のショールームがあり、5階にはオフィスや住居がありました。現在、1階から4階までは駐車場として営業しており、5階にはマウス・ハビトスという芸術家集団が運営するレストランが入っていて、美味しい地中海料理を提供しています。

ポルトガルはレトロで素敵な建物の宝庫!
ポルトガルには、元は映画館だったレストランや、魚の冷蔵倉庫だったホテルなど、古い建物を上手に活かした施設が多く見られます。また、アズレージョと呼ばれる建物を装飾するタイルは古くからポルトガルの代表的な工芸ですが、ヴィンテージのアズレージョは彩色の技法が多彩で、立体のものがあるなど表現が豊かです。ポルトガルを訪れたら、そんなレトロな建物に注目してみるのも面白いと思います。

矢野有貴見 / Yukimi Yano
ポルトガルの各地をまわって集めた民芸・雑貨のショップ「アンドリーニャ」代表。主にネットショップやイベントなどで活動している。著書に「ポルトガル名建築さんぽ」(エクスナレッジ)ほかがある。
Webサイト:ネットショップ「アンドリーニャ」

旅のヒントBOOK『ポルトガルへ――リスボンととっておきの町を訪ねるレトロな旅時間へ』矢野有貴見 著
ポルトガルの魅力にはまり、長年通い続ける著者がご案内。リスボンは「バイシャとシアード周辺」をはじめ5つのエリアにわけてご紹介。第二の都市ポルト、海辺の町ナザレ、田舎風景が広がるアレンテージョ地方の玄関口エヴォラも掲載。さらにポルトガル料理や伝統菓子、アズレージョや工芸品についての解説ページも充実!
A5判/192ページ/定価2,090円(税込)
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