連載
狙い通りにならなかったあの日 ~ 芳岡 淳が撮ったこの一枚
月刊エアラインをはじめ数々の媒体で活躍する航空写真家が撮った一枚の写真。それぞれに、さまざまな背景があります。本連載ではそうした写真に関する一言コメントとともに、フォトグラファー渾身の一枚を紹介していきます。
今年の梅雨からの1枚。
飛行機撮影において晴天であることは何よりの環境になりますが、劇的なシーンを狙うのであれば悪天候の日に空港へと足を運ぶことは珍しくありません。
この梅雨狙っていたのはルフトハンザの747-8が雨の中、豪快の水飛沫をあげて着陸する様子を正面から撮影するというもの。
一定の降水量があり、視程もある程度確保された好条件の日が訪れ、撮影に向かいましたが、この後のカットは逆噴射が想定よりも弱く、水飛沫をほとんどあげることなく敢えなく撃沈…。
このように複数の条件が重なり合うことで成立するカットというのは、何度も足を運ばなければいけないと改めて感じる瞬間でした。
芳岡 淳
1994年生まれ。神奈川県横浜市出身。 小学生の頃、北海道への家族旅行で747-400Dに搭乗したことで旅客機撮影が趣味に。2015年からは積極的に海外へ遠征し、世界中で747-400を中心に旅客機や貨物機を追いかける撮影スタイルを展開。
FOREVER BOEING747-400(イカロスカレンダー2025)
ジャンボジェット機の完成系として登場し、ヒコーキファンの間でも極めて人気の高いボーイング747-400、通称ダッシュ400。高いレベルの環境性能や経済性が求められる時代のなかで経年機となったダッシュ400は退役が進み、2024年3月には主要エアラインで残っていた数少ないオペレーターだった韓国のアシアナ航空でも運航を終了。本当に乗ることが難しい機体となったダッシュ400に1年にわたって寄り添えるカレンダー。
写真:芳岡 淳
発売日:2024年10月2日(水)
仕様:月めくり/壁掛け/縦30cm×横38cm
価格:1,870円
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