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777-300ERを背景に永遠の思い出を。ANA格納庫でウェディングフォトツアー開催
ANAは羽田空港の格納庫「ANA Blue Hangar」でウェディングフォトツアーを開催した。夜の格納庫で航空機を貸し切ってウェディングフォトを撮影するツアーで、5月31日と6月28日に各回1組限定で実施された。
ANAは6月28日、羽田空港の格納庫「ANA Blue Hangar」でウェディングフォトツアーを開催した。これは4月16日に5月と6月の開催を発表したツアーで、夜のANA格納庫でウェディングフォトツアーを開催するのは初めてのこと。今回取材したのは5月31日に続く2度目の開催となった6月28日のツアーだ。
このツアーは各回1組限定で募集。5月31日開催分は4月16日~25日、6月28日開催分は5月20日~26日にエントリーを受け付けていたが、約60万円という旅行代金ながら各回とも10組を超える応募があったという。
ツアーの開催にあたっては、羽田エクセルホテル東急、ワタベウェディングと連携。1泊2日のコースで、羽田空港第2ターミナルに隣接する羽田エクセルホテル東急に設けられた「ANA ROOM」と「スーペリアコックピットルーム」でも撮影。もちろん撮影後の宿泊は「ANA ROOM」で、ディナーも用意される。
ドレスは全国のワタベウェディングのドレスショップで事前にフィッティングができたほか、撮影も同社がアレンジしたウェディングを専門とするカメラマンが務めた。旅行代金には、こうしたワタベウェディングによるドレスや衣装小物のレンタル、ヘアメイクと撮影中のメイク直しなどが含まれる。
2人のためだけに用意されたボーイング777-300ER
6月28日のANA格納庫には、ボーイング777-300ER(JA788A)が駐機し、この機体をカップルが独占。機内にこそ入れなかったものの、エンジンや垂直尾翼のまわりなどカメラマンが次々に指示をし、飛行機を間近にした写真をつぎつぎに収めていく。
格納庫見学などで飛行機を間近に見られる機会も増えている。しかし、ここには2人のためだけに格納庫、そしてボーイング777-300ERが用意されている、特別な世界が広がっていた。
取材にご協力いただいた辻本直人さん、沙苗さんご夫妻は2022年に入籍後、コロナ禍で披露宴やウェディングフォトを撮影する機会がなかったという。「(格納庫でフォトウェディングをするという)非日常の機会はほとんどないと思いました。実際に参加してみて、本当によい企画でありがたかったです」と感想を話した。
元々、直人さんが飛行機に乗って旅行をするのが好きだったとのことだが、いまでは沙苗さんも一緒に飛行機を楽しんでいるとか。ふらっと飛行機に乗り、空港近くのホテルに宿泊する1泊2日の旅行などもされているそうだ。
一方、この企画はどのようにして生まれたのだろうか。この企画はANAグループの社内提案制度で生まれたもので、立案者はANA X デジタルマーケティング部に所属する西尾美紀(みのり)さん。就職時にウェディング業界も候補に入れており、ウェディングプランナーの資格も取得している。2022年には類似の企画として、コロナ禍で運用が止まっていたエアバスA380「FLYING HONU」を貸し切ってウェディングフォトを撮影できる企画が成田空港で実施されたが、その企画も西尾さんが発案したものだという。
今回の夜の格納庫での実施にあたっては、通常のオペレーションがあるなかでの機材の調整や、格納庫という場所柄、夫妻の着替えスペースが課題になったという。後者については、エクセルホテル東急と連携することで、ホテルの部屋で着替えて、そのままANA ROOMなどで撮影後、格納庫へ向かう行程とすることで課題を解決した。
西尾さんは「ライフイベントにANAが関わる」ことに対しての熱意から企画を立案したといい、「この体験を元に、新婚旅行や、ご家族が増えたとき、10年後に記念に旅行に行こうとなったときに、このことを思い出していただいたり、もしかしたら飛行機の機番(登録記号)まで思い出していただけたりしたら良いなと思います」と語った。
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